昨年４月、東京都江東区のマンションで２部屋隣の会社員東城瑠理香さん＝当時（２３）＝を殺害したなどとして、殺人、死体損壊・遺棄などの罪に問われた元派遣社員星島貴徳被告（３４）の公判が２６日、東京地裁であり、検察側は「過去に類を見ない残虐、冷酷で、人を人と思わない犯行。矯正は不可能だ」と死刑を求刑した。
弁護側は、殺害の計画性がないことなどから無期懲役が相当と訴えた。
星島被告は公判の最後に「１日も早く（死刑を）執行してください」と述べ、結審。平出喜一裁判長は、２月１０日としてきた判決期日を２月１８日に変更した。
論告で検察側は、被告が東城さんを「性奴隷」にしようと自室に連れ込んだ後、警察の捜査が始まったのを知って殺害、遺体を切断してトイレで流すなどした経緯に触れ「被害者の人格、生命、尊厳を踏みにじり、悪質極まりない犯罪。被害者の将来を根こそぎ奪い、遺族の処罰感情は峻烈（しゅんれつ）で、生命で償わせるべきだ」と主張。
弁護側は「被告は反省しており、将来にわたり被害者の冥福を祈らせるべきだ」と反論した。
この公判では検察側が、マネキンを使った遺体切断時の再現画像や生々しい肉片の写真などを大型モニターに映し出し、詳細な犯行状況を被告に確認。一部の遺族が泣きながら退廷し、弁護人が「被告の人格を破壊する」と批判する場面もあったが、東京地検は「裁判員制度を念頭に、公判を見れば分かる方法をとった」と説明していた。
起訴状によると、星島被告は昨年４月１８日夜、東城さんをわいせつ目的で自室に連れ込み、包丁で刺して殺害。のこぎりなどで遺体を切断し、翌１９日から５月１日にかけ、自室トイレやマンションのごみ置き場などに遺棄したとされる。
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