55回目となる文化財防火デーの26日、多くの国宝や重要文化財がある奈良県斑鳩町の法隆寺で、僧侶や地元消防団が、文化財を火災から守る思いを新たに防火訓練をした。
文化財防火デーは60年前のこの日、法隆寺に伝えられた白鳳時代(645—710年)の金堂壁画が火災で焼損したことをきっかけに、1955年に定められた。
訓練は聖徳太子を祭った聖霊院(しょうりょういん)前で実施。消防団員らが境内の鏡池からポンプで水を吸い上げて勢いよくホースから放ち、金堂や五重塔をバックに空に何重もの弧を描いた。
大野玄妙管長は「節目の年だから、なおのこと文化財を守る気持ちが風化しないようにしたい」と話した。
金堂にはこれまで漏電による火災を防ぐため照明施設がなかった。しかし、「堂内が暗い」と参拝者に不評だったこともあり、昨年の堂内の修理を機に発熱量の少ない発光ダイオード(LED)の照明21基を設置した。
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