東京地裁の執行官は25日午前、同地裁の仮処分決定に基づき、東京・品川駅前の京品ホテルで自主営業を続ける元従業員らを退去させ、建物を明け渡させる強制執行をした。元従業員らは地位保全を求める訴訟を東京地裁に起こしており、今後は法廷を中心に闘争を続けるとしている。
元従業員らと支援する労組関係者は同日午前6時前からホテル前で「強制執行反対」「自主営業を守り抜くぞ」とシュプレヒコールを上げ、玄関前に並んで執行官の立ち入りを拒否。執行官に同行した警視庁の機動隊員ともみ合いになったが、執行官は午前9時25分ごろ、ホテル内に入り、同40分ごろ執行を完了した。
逮捕者はなく、元従業員側の男性が転倒して頭を打ち、病院に運ばれた。
ホテルを経営してきた京品実業は経営難でホテルの売却を決定。経営破綻(はたん)した米証券大手リーマン・ブラザーズの日本法人子会社に約60億円の負債を返済するとして昨年10月20日、廃業し約130人の従業員を解雇した。
元従業員らは解雇翌日からホテルや飲食店の自主営業を開始。京品実業は元従業員らの立ち退きと建物の明け渡しを求める仮処分を申し立て、東京地裁は今月15日、明け渡しを命じる仮処分を決定した。
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