留守中のアパートの隣人宅に忍び込み携帯電話を充電していた女が、帰宅した隣人にばれたため包丁で切りつけたとして逮捕された。傷害と銃刀法違反の疑いで24日、警視庁世田谷署に逮捕されたのは、東京都世田谷区の広谷路子容疑者(34)。
調べによると、24日午前3時すぎ、同区太子堂のアパートに住む20代の女性が帰宅すると部屋の鍵が開いており、見知らぬ携帯電話が充電してあった。すぐに隣室に住んでいる広谷容疑者が部屋に入ってきて「派遣の仕事がなくなり生活が苦しかったので充電器を借りました」と謝罪。さらに「警察には通報しないで」と懇願したという。
しかし女性は「隣の住人が留守中に勝手に部屋に入り込んだ」と110番。すると広谷容疑者は自室に戻り、文化包丁(刃渡り約17センチ)を持ち出し再び現れた。2人はもみ合いになり、切りつけられた女性は部屋を脱出。近所のコンビニに助けを求めた。女性は両手の親指を切る軽傷を負ったという。
広谷容疑者は同日午前2時ごろ、合鍵を使い女性宅に侵入し、携帯電話の充電を始めた。充電中は自分の部屋で過ごしていたという。合鍵は約1年前、当時空き部屋だった隣室のリフォーム中に工事業者がメールボックスに置いていた鍵を勝手に複製。隣室がどう改装されるのかに興味を持ち、その後も所持していた。同容疑者は女性とは面識はないという。
調べに対し、広谷容疑者は「生活が苦しく電気代を浮かせるために部屋に侵入した」と供述したが、送電を止められていたわけではなかった。携帯電話の充電1回にかかる電気料金は、1円にも満たない金額。同署関係者は「携帯電話の充電にかかる費用なんてたかが知れているのに…」と首をかしげている。
また容疑者は「派遣の仕事がなくなった」と女性に釈明していたが、実際には風俗店に勤めていたという。
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