麻生太郎首相は二十四日夕、ロシアのメドベージェフ大統領と電話で会談した。大統領は、二月十八日にサハリン島で開かれる液化天然ガス(LNG)の対日輸出開始を記念する式典に首相を招待する考えを伝えた上で「二国間のすべての問題について話し合いたい」と述べ、日ロ首脳会談の開催を提案した。首相は「検討の上、回答したい」と述べた。国会審議や外交日程を見極め、出欠を判断する。
電話会談はロシア側の申し入れで行われた。大統領は、サハリン州沖の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」に対する日本の貢献について「大変高く評価している」と表明。首相は「サハリン2は日ロの典型的な互恵協力であり、LNGの生産開始は両国関係にとって象徴的な一歩だ」と応じた。
麻生首相は昨年十一月、ペルーのリマでメドベージェフ大統領と初めて会談し「首脳交流」を活発化させることで一致した。日ロ間では、プーチン首相の早期来日に向けた事務レベルの調整も進められている。
サハリン2は日本の三井物産、三菱商事や国際石油資本ロイヤル・ダッチ・シェルなどが出資。世界最大の天然ガス埋蔵量を誇るロシアからのLNG輸出は初となる。