大分市の南日本造船大在工場で作業員二人が死亡、二十四人がけがをしたタラップ落下事故で、タラップの先端を船体に引っ掛けるためのフックを固定していたボルト四本すべてが、頭の部分からほぼ同時に折れた可能性が高いことが二十四日、大分県警や大分労働局などの調べで分かった。
また県警などがこれまでに押収したボルトの破片は頭部四個と胴部二個だったことが判明。いずれの断面も押し切られたような形状だったことから、県警などは、ボルトが腐食などではなく、過重のために折れたとほぼ断定、業務上過失致死傷の疑いで引き続き捜査する。
調べによると、タラップが落下する際に船体をこすった二本の傷は垂直に伸びていた。このため、フックの左右に二本ずつ取り付けた直径約二センチのボルトが片側からではなく、両側でほぼ同時に折れ、真下にタラップが落ちた可能性が高いという。
事故当時は一度に四十人近くがタラップを上ったとの目撃情報があり、ボルト四本で支えていたフックとタラップの接続部がどの程度の重みに耐えられたのか詳しく調べる方針。
また、タラップの重さについて南日本造船は二十三日の記者会見で「約三トン」と説明していたが、県警などが二十四日に実況見分した結果、実際は二倍の約六トンだったことも判明。県警などは同社がタラップの重さなど安全についての基本的な情報を認識していなかったとみている。
実況見分は約四時間半で終了し、県警はフックなどを持ち帰った。