2009年01月25日(日) 02時51分
宗教法人代表を聴取、本格捜査へ 渋谷の地上げ18億脱税の疑い(産経新聞)
大規模再開発が行われている東京・JR渋谷駅周辺の土地取引で、岐阜県内の宗教法人の代表(48)が経営していた不動産会社が、地上げで得た利益約60億円を隠し、18億円前後を脱税したとされる疑惑で、東京地検特捜部がこの代表から任意で事情聴取したことが24日、分かった。代表は脱税を否認したもようだ。法人税法違反(脱税)容疑で立件方針を固めている特捜部は、巨額脱税の全容解明に向け、捜査を本格化させるとみられる。
地上げが行われたのは、現在、超高層ビルの建設が進んでいる渋谷区の約8000平方メートルの土地のうち、約7200平方メートル。
調べでは、代表が会長を務めていた東京都港区の不動産会社は、平成15年9月〜17年、別の不動産会社をダミーに、大手都市銀行など複数の金融機関から計約230億円の融資を引き出し、土地を次々と購入。テナントなどを立ち退かせた上、18年4月に420億円余の高値で売却、約190億円の利ざやを得た。
利ざやの一部約85億円や立ち退き交渉の手数料などは、この会社の収入だったが、事実上倒産した関連会社の所得に見せかけて赤字と相殺させるなどの手口で、約60億円にのぼる法人所得を隠し、法人税18億円前後を脱税した疑いが持たれている。
代表は、一部の土地を宗教法人の名義で買い上げ、立ち退きのために、宗教儀式を偽装し、大きな音量を流すなどの嫌がらせをしていたとされる。
問題の不動産会社は、12年設立で、資本金3000万円。宗教法人の代表は13年に代表取締役となり、昨年5月から9月まで監査役。宗教法人は神道系をうたうが、ほぼ実体はない。
特捜部は、昨年11月下旬から、土地取引に関与した不動産会社幹部ら関係者多数から参考人聴取するなど捜査を進めてきた。その結果、全容解明には、今後の本格捜査は不可欠で、代表の認否を確認するためにも、本人の聴取に踏み切ったとみられる。
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