京都市下京区の中学校跡地で、江戸時代後期に作られた焼き物のウシの置物が、京都市埋蔵文化財研究所の24日までの発掘調査で見つかった。
腹部の穴の内側に「又吉」や、運送業者を意味する「牛引(うしひき)」などの文字が墨で書かれていた。町家の建物跡が並んだ場所で、市文化財保護課の西森正晃技師は「運送業の又吉さんが、店のマスコットキャラクターとして飾っていたのかもしれない」と話している。
同課によると、置物は町家の裏庭の井戸跡から割れた状態で、茶わんなどとともに出土した。土を瓦と同じようにいぶして焼いてあり、瓦職人が作ったとみられる。
破片をつなぎ合わせ、両前足を新たに継ぎ足して復元。全長40・5センチ、高さ21・6センチ、重さ約3・5キロのウシの置物になった。
町家の南側には当時、物資輸送に利用された高瀬川の船着き場「内浜(うちはま)」があったという。跡地から4棟の建物跡が内浜に面して並んで見つかり、それぞれ輸送に関係する店舗兼住居だったとみられる。
また、江戸前期—中期の層から焼き物の金剛力士像の右足や衣の一部も出土した。
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