大分市の南日本造船大在工場で作業員2人が死亡、24人がけがをしたタラップ落下事故で、大分県警や大分労働基準監督署などは24日、落下現場などを合同で実況見分した。また県警は同日までに、タラップを船体側で固定していたL字形フックのボルトのうち、折れた3本を押収。鑑定するなどして事故原因を解明する。
実況見分は厚生労働省や独立行政法人労働安全衛生総合研究所(東京都清瀬市)の職員らも参加して午前9時50分ごろ開始。クレーンを使ってタラップをいったん船体に架けた後、海面近くまで下ろして落下状況を再現したり、フック周辺の写真を撮るなどしたほか、立ち会った南日本造船の関係者から事情を聴いた。
調べでは、フックはタラップの船体側先端の左右に1個ずつ付けられ、それぞれ2本のボルトで固定されていたが、3本のボルトが折れた状態で海中から回収された。
タラップの耐荷重は約1・5トンだったが、事故時は40人近くが一度に上っていたとの目撃証言もあり、重量オーバーの可能性も浮上。県警は業務上過失致死傷の疑いもあるとみて、同社の安全管理体制に問題がなかったかどうか捜査を進める。
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