「携帯メール中毒」のバラク・オバマ米大統領(47)がホワイトハウスでも愛用の携帯電話「ブラックベリー」を継続して利用することが22日、決まった。国家機密漏えいの懸念などで過去2代の大統領は携帯メール利用を自粛してきたが、新大統領はメール相手を政府高官、家族、友人に限定することで、使用を認めさせたという。セキュリティー機能を高めたオバマ専用モデル「バラクベリー」を利用する方向だ。
3度のメシよりメールが好きな新リーダーは、人知れず「Yes I Can!」と叫んだことだろう。オバマ大統領は、就任後初めて迎えた「内部闘争」に勝利し、相棒「ブラックベリー」のホワイトハウス入りを認めさせた。初めての記者会見に臨んだロバート・ギブス大統領報道官(37)は「オバマ大統領にとって、大きな意味を持つ」と語った。
電子メール時代となって以降に大統領に就任したクリントン、ブッシュの両氏は、国家機密漏えいの懸念や大統領の所在地が電波によって特定される危険を考慮して、ホワイトハウスでの携帯メールや電子メールの利用を自粛していた。
今回も同様の対策が取られることが予想されたが、オバマ氏は「メール送付先を限定する」との条件で許可をゲット。国防総省傘下の国家安全保障局が約30万円の予算をかけ、セキュリティー機能を進化させた端末を開発、利用する。
選挙戦中から、流れるような親指の動きでメールを早打ちする姿が度々目撃されているオバマ大統領は、自他共に認める携帯メール中毒者だ。パソコン型キーを搭載したスマートフォン「ブラックベリー」を肌身離さず腰ベルトに装着し、暇さえあれば画面をチェック。長女マリアちゃん(10)のサッカー試合を観戦した際も、フィールドを駆けるまな娘をよそに手元のメールに熱中し、ミシェル夫人(45)に「あなたっ!!」と怒られた逸話も。AP通信の「悪癖は?」との質問には「ブラックベリーのチェックさ」と答えている。地元シカゴの球団ホワイトソックスが勝った夜は、「ソックス!!」と歓喜のメールを友人に送るのが常だ。
単なる趣味だけではない。政治ツールとしても携帯メールをフル活用している。大統領選では、陣営幹部と演説の文章などについて深夜まで文字だけで意見交換。副大統領候補の決定を290万人の携帯に一斉配信し、若者たちに「新世代の政治家」をアピールした。
相棒の入閣を成功させた新大統領だが、送受信したメールはすべて法律によって記録される。内容の公開を迫られる可能性もあるが、絵文字を打つ習慣のないオバマ氏だけに、恥ずかしいメールが流出する危険性は低そうだ。
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