東京都の石原慎太郎都知事(76)が23日、オバマ米大統領に対し、対抗心を燃やした。この日の定例会見で、オバマ氏の就任演説について触れ「聞いてないし、読んでない。さっき、さらっと読んだな」と無関心を装った。
それもそのはず。都は2016年の五輪招致を目指しているが、オバマ氏の出身地、イリノイ州シカゴも立候補済み(ほかに、マドリード、リオデジャネイロ)。10月の国際オリンピック委員会の総会(コペンハーゲン)で開催地は決まるが、そこにオバマ氏が出席した場合、その影響は計り知れず、浮動票を根こそぎものにする可能性も指摘されている。
その辺りを熟知しているのか、知事は「黒人の大統領が生まれたわけだから、それがアフリカの黒人国家はシンパシーを感じるだろう。それがどのように票に出るのか」と警戒。「(招致レースは)魑魅魍魎(ちみもうりょう)の世界ですな。日本人はそういうの、きれいごとで片付けようとするけど、本当の闘いはそんなもんじゃないね」と語気を強めた。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090124-OHT1T00075.htm