2009年01月24日(土) 15時18分
工場捜査は「手詰まり」=中国側、従業員を徹底聴取−ギョーザ事件発覚1年(時事通信)
【北京24日時事】中国製冷凍ギョーザの中毒事件は30日で発覚から1年を迎える。中毒を起こした有機リン系殺虫剤メタミドホスの混入をめぐり、中国公安当局は製造元の天洋食品(河北省石家荘市)の従業員を中心に徹底捜査しているが、「証拠をきちんとそろえるのに時間がかかる」(中国筋)との手詰まり感が強く、容疑者の絞り込みは進んでいない。
事件は昨年1月30日、北京五輪開催を前に中国政府が「食の安全」を最も重視する中で発覚。日中両国は異例といえる捜査幹部の相互往来で情報を交換した。しかし、警察庁は鑑定や流通経路の捜査からメタミドホスが日本で混入された可能性は低いと指摘。中国公安省も自国での混入を否定し、足踏みが続いた。
8月になり、中国国内でも天洋食品のギョーザで中毒が起きていたことが判明。同社は、中国国内で回収したギョーザを河北省内の複数の鉄鋼メーカーに大量に横流ししており、これを食べた「承徳鋼鉄」の関係者4人が中毒になっていた。
捜査方法にも変化が表れ、中国公安当局は30万元(約390万円)の賞金を懸け、有力情報の提供を求める動きも出た。関係者によると、地元警察当局は発覚後、天洋食品の工場の人事管理簿や監視カメラの映像を押収し、従業員らを事情聴取した。昨年秋以降は、工場で混入できる立場の従業員や周辺者を「疑わしい人物」として長時間にわたり徹底的に調べたが、決定的な証拠は出なかった。
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