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2009年01月24日(土) 08時05分

国会戦略は? 民主動揺 不透明資金 山岡国対委員長産経新聞

 民主党の国会対策の司令塔である山岡賢次国対委員長の不透明な資金問題が23日浮上し、党内に動揺が走った。与党側が攻撃を強める余地もあり、今国会の主戦場となる平成21年度予算案の審議を目前に控え、出ばなをくじかれた形だ。山岡氏自身は「問題ない」として乗り切る姿勢をみせているが、説明責任を十分に果たしているとはいえないのは事実。小沢一郎代表の側近だけに、この問題の行方が党に打撃を与える可能性は捨てきれない。

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 山岡氏は23日午前、自宅にこもり、電話などで関係者らと対応を協議した。その結論が、「政治的にも法的にも適性に対処し処理している」とするコメントを出すことだった。

 この問題を記者団に聞かれても無言のまま。同日午後、4野党国対委員長会談後に国会内で行った記者会見でも、冒頭に2分ほど会談内容を説明しただけで、質問を受け付けずに足早に退室した。記者にICレコーダーを突きつけられても無視を決め込んだ。

 山岡氏は民主党最高幹部の「5人衆」に数えられているだけに、昨秋以来、自民党からマルチ商法関連業界との関係も追及されてきた。不透明資金の問題はこれに追い打ちをかける形となり、党内から「国会運営に影響が出かねない」(中堅)との声が上った。

 この問題をめぐっては栃木県真岡市の福田武隼市長が23日の記者会見で、平成13年の市長選で山岡氏の当時の公設秘書らに手伝ってもらった見返りに2年間で約400万円の報酬を要求されたと主張した。

 これに対し、山岡氏はコメント文で「市長の所有する病院の土地買収問題の弁護士代などの諸経費だったと聞いている。当選後、政敵となった市長サイドの虚言であり、近々行われる真岡市長選への悪質な選挙妨害としか考えられない」と反論した。

 自身の口で説明しない山岡氏の狙いは「嵐の過ぎ去るのを待つことだ」(周辺)というが、与党からは「黙っているのは後ろめたいからだ」(自民党中堅)という声も漏れる。

 真岡市長からの入金について民主党関係者は「違法性はなく、選挙活動の報酬だとしても、ただの『セコい話』というだけ」とみている。だが、振込先だった都内の学習塾経営会社については「ペーパーカンパニーだった場合、与党に徹底追及されるのではないか」(幹部)との懸念が広がっている。この会社の口座にマルチ商法関連業者から「花代」10万円が振り込まれ、返金した経緯もある。

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は記者会見で、「党の問題というよりも個人の問題だ」としつつも「疑惑が多少でもあるとすれば、晴らす努力をしなければならない」と注文をつけた。

 自民党の細田博之幹事長は「事実関係について確認していないが、公人として十分な説明をすべきだ」と述べ、山岡氏の出方を注視する考えだ。

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