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2009年01月24日(土) 13時15分

<飲食店サービス>覆面調査員は見てるぞ! 登録20万人「おいしいバイト」毎日新聞

 客を装った調査員が飲食店のサービスや味をチェックする「覆面調査」が、店舗改善の新手法として定着しつつある。公平な第三者の目で自店を評価してもらい、満足度アップにつなげるのが狙いだ。調査員はどんな人なのか。【田後真里】

 ◇本音ほしい店側、主婦が厳しく採点

 さいたま市の主婦(41)は2年前から覆面調査のアルバイトをしている。これまで40店を調べた。「調査員だとばれたら意味がないので、店のトイレや帰りの電車で必死にメモする。再度店を訪ね、指摘した点が改善されているとうれしい」と話す。

 覆面調査はもともと、訓練されたプロの調査員を使っていた。インターネットが普及し、通信手段が簡略化され、また一般人の採用で調査費用が安く抑えられるようになったため、米国で急成長した。

 日本では数年前から専門の調査会社ができ、大手だけでも5社以上ある。調査員の多くはネットで公募した主婦や学生らで「タダで食事もできるおいしいアルバイト」として、口コミで人気が広がった。

 居酒屋チェーンなどが顧客のエムエス・アンド・コンサルティング(東京都中央区)は、全国に約20万人の登録調査員がいる。調査員は指定店を訪れて食事した後、Q&A方式の報告書に記入し、2日以内に提出しなければならない。質問項目は▽また来たいか▽会計で待たされなかったか▽入店にスタッフがすぐ気づいたか−−など60項目。自由記述欄も8カ所ある。謝礼は1店当たり2000〜1万円だ。

 主にファストフードの調査をしているギャップバスターワールドワイド(本社・オーストラリア、日本法人・東京都港区)は、調査員を約5000人抱える。同社には調査員の報告書を審査する監査部があり、問題がある報告書ははねられる。その結果、まじめな調査員だけが残るという。

 依頼店側のメリットは何か。東京・赤坂の鍋料理店「春夏秋豚赤坂本店」では、月に1、2回覆面調査を依頼。「自分たちのおもてなしが一方通行になっていないか、確認できる」と日野哲則さん(33)は話す。

 ホスピタリティーを研究する西武文理大(埼玉県狭山市)の小山周三教授は「外食産業では顧客満足度を重視しなければ生き残れない。覆面調査が定着してきたのは、多くの声に耳を傾けたいという店側の姿勢や主婦を中心とした消費者の成熟という条件がそろったためでは」と見ている。

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