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2009年01月23日(金) 22時05分

<人権侵害>入所者の両手縛り拘束 静岡・伊東の介護施設毎日新聞

 静岡地方法務局は23日、静岡県伊東市の民間介護施設「ぶるーくろす青晨楼(せいしんろう)」で、入所者3人を不当に拘束するなどの人権侵害があったとして、介護施設運営会社「ぶるーくろす健康開発協会」(東京都中央区、中原健次郎社長)に再発防止を勧告したと発表した。

 法務局によると、男性職員2人が、男性(当時57歳)が施設外を徘徊(はいかい)するなどの理由で、昨年5月ごろから死亡した8月3日まで、両手をベッドの柵に綿布で縛り付けた。同部屋の男性(同61歳)も昨年6月ごろから死亡した同9月19日まで断続的に両手を縛り付けた。部屋のドアは外から金属棒を掛け、開かないようにしていた。

 施設側は2人の死因について「事件性がないので警察には届けておらず、死因は分からない」としている。

 さらに、別の男性(54)に対しては、窓ガラスを壊したりするとして、昨年6月下旬から同10月27日まで個室に閉じ込め、月に数回浴びるシャワー以外は出さなかったという。

 法務局は、昨年7月に県から情報提供を受け、同10月末までに3回調査。中原社長は「やむを得なかった」と事実を認めたという。職員1人は既に退職した。同社は「社長が不在で対応できない」と話している。同社は07年、運営する千葉県浦安市の無届け有料老人ホームでも入所者に対する虐待が発覚。千葉地方法務局などから再発防止の勧告を受けた。【田口雅士】

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