三菱自動車は23日、大幅減産している水島製作所(岡山県倉敷市)が昨年末以降に独自の判断で、生産などに携わる技能系社員約60人に副業を許可し、うち約40人が実際に軽作業のアルバイトに従事していたことを明らかにした。同社は社員の就業規則で副業を原則禁止しているが、工場側が休業に伴う賃金カット分を補えるように配慮した側面もあったとみられる。
同社広報部は「今後は就業規則に沿った運用を全社に徹底する」とした上で、「水島製作所以外の工場などでは同様のことは起きていない」と説明している。
いずれの社員も許可を得ていたため、処分しない。介護中の家族がいるなど個別事情によっては副業を認めており、アルバイト中の社員に今後も認めるかどうかは再度判断するという。
自動車の販売不振を受けて水島製作所は軽自動車以外の乗用車生産を1月に6日間休止し、休業日の賃金を15%カット。2月も最大14日間操業を取りやめる。このため、水島製作所の関係者からは「規則の枠内で人道的見地で判断しており、誤った運用はしていない」との声も出ている。
関係者によると、社員からアルバイトを求める声が相次いだため、水島製作所は昨年12月に社員からの申請を受け、個別の事情に応じて認めることを決定。同製作所の課長クラスに対し、届け出をすればアルバイトが認められることを電子メールで知らせていた。許可を得た約60人は、水島製作所の技能系社員の2%程度という。
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