公安審査委員会(委員長・田中康久元仙台高裁長官)は23日、公安調査庁の請求通り、団体規制法に基づくオウム真理教に対する観察処分の更新を2月1日から3年間認める決定をした。2000年1月に決定した観察処分の更新は、今回で3回目。
松本智津夫死刑囚(53)=教祖名麻原彰晃=を創始者とする教団はアレフと改称し活動を続けるが、幹部だった上祐史浩氏(46)が07年、別組織のひかりの輪を設立、二グループに分裂した。
ひかりの輪が「アレフとは別団体」と処分対象からの除外を求めていたのに対し、公安審は「依然、オウム真理教の教義を共通の基盤としつつ、教団の重要な一部を構成している」と認定。その一方で「今後の活動が被害者や周辺住民らの理解を得られるか注視したい」とも言及した。
教団主流派とされるアレフは、公安庁が請求で松本死刑囚を教団の主宰者と位置付けたことについて「拘禁反応で精神に障害が生じている。主宰者たり得ず請求は不備だ」などと反論していたが、公安審は「請求に違法は見当たらない」と退けた。
その上で公安審は、教団全体について「現在も無差別大量殺人行為に及ぶ危険性があり、その体質はいまだ閉鎖的、欺瞞(ぎまん)的で活動状況の把握が困難」と指摘、処分更新の要件を満たすとした。
処分期間中、公安調査庁は教団施設に立ち入り、設備や帳簿書類を検査できる。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090123-OHT1T00276.htm