大気中の温室効果ガス濃度を宇宙から観測する人工衛星「いぶき」に、「まいど1号」など町工場や大学などが開発した小型衛星7個が相乗りしたH2Aロケットが23日午後一時前、鹿児島県の宇宙航空研究開発機構種子島宇宙センターから打ち上げられた。
いぶきは大気中の温室効果ガス濃度を観測する世界初の衛星。高度666キロの軌道上から地球上の5万6000か所の二酸化炭素(CO2)とメタンに関するデータを3日ごとに取得する。
これまで詳しく分かっていなかった、森林などの生態系が吸収、排出するCO2の量がより正確に把握できるほか、工場などからの人為的な排出量の検証にも活用可能。宇宙から地球温暖化対策の一翼を担うことになる。
相乗りしたのは、宇宙機構の技術実証衛星と、大阪府東大阪市の中小工場9社が参加する東大阪宇宙開発協同組合、東北大、東京大、香川大、都立産業技術高等専門学校、システム開発会社「ソラン」が開発した小型衛星。それぞれ、雷予報を実現するための基礎データ取得や地球の撮影などを目指す。宇宙機構が、ロケットの余力、空きスペースを生かすため公募を制度化して以降、初めての打ち上げとなった。
いぶきの開発から打ち上げまでの費用は約346億円。5年間の運用を予定している。打ち上げは三菱重工業が担当した。
http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090123-OHT1T00191.htm