記事登録
2009年01月23日(金) 06時02分

最高裁長官1か所間違えた!オバマ大統領が宣誓やり直しスポーツ報知

 熱狂的な就任式典から一夜明けた21日、バラク・オバマ米大統領(47)がすったもんだの執務初日を迎えた。就任式典での宣誓の際、言い回しが不正確だったとしてホワイトハウス内で、異例の2度目の宣誓を行った。一方で、イラクの駐留部隊撤収や情報機関による拷問の舞台となった秘密収容所の閉鎖を指示するなど早くもブッシュ色の一掃に着手。目まぐるしい一日を過ごした。

 執務初日で気合が入っていたオバマ新大統領にハプニングが起こった。前日20日の就任式典で行った「就任宣誓」だ。

 35語の宣誓文は米憲法で規定されている。オバマ氏は連邦議会議事堂前での宣誓の際、慣行に従ってロバーツ連邦最高裁長官が先に述べた言葉を復唱した。ところが長官は「“誠実に”大統領の職務を遂行する」と言うべきところを「大統領の職務を“誠実に”遂行する」と言い間違えた。戸惑ったオバマ氏はいったん言いよどんだ後、そのまま従った。

 語順をたった1か所間違えただけだが、憲法に明記される厳格な宣誓文とあり、一部で宣誓の有効性を問う声が浮上。「宣誓は法的に有効」(クレイグ大統領法律顧問)としたが、混乱を避けるため、オバマ氏は宣誓のやり直しを決めた。

 2度目の宣誓は21日午後7時半、ホワイトハウス内の一室で、急きょ駆り出された「証人役」の番記者たちの前で行われた。宣誓前、オバマ氏は「今回はゆっくりと」とロバーツ長官に声をかけ和ませると、25秒かけて正確に宣誓を終えた。

 宣誓やり直しは極めて異例。複数の米メディアによると、ロバーツ長官は20日、オバマ氏に間違いを謝罪。本番には宣誓文の“カンペ”を持ってこなかったとみられる。

 朝、執務室に入ったオバマ氏はまずブッシュ前大統領からの引き継ぎの文書を読んだ。初日はブッシュ氏の“遺産”の処理から着手した。

 21日の声明で、戦争終結に向け、イラク駐留米戦闘部隊の「16か月以内の撤退」のために、撤退計画を策定するよう軍首脳に指示したことを明らかにした。中東の指導者4人とも電話会談した。

 22日には、公約の一つに掲げてきたキューバのグアンタナモ米海軍基地のテロ容疑者収容施設を1年以内に閉鎖し、拷問との批判も出た「水責め」などの過酷な尋問を禁じる大統領令を出した。

 オバマ氏は署名後に「われわれは拷問をしないというルールを順守できる。(拷問なしでも)必要な情報を効果的に入手できる」と述べるなど精力的。テロ対策についても「米国の価値と理想に沿った形で進めていく」と話し、まさに「変革」を体現している。

http://hochi.yomiuri.co.jp/topics/news/20090123-OHT1T00081.htm