運送会社のシャッターに塩をまいてさびさせたとして、大阪府警堺署が堺市堺区の寺の住職(55)に事情を聞いていたことが22日、分かった。住職は「騒音や駐車について苦情を言ってきたが、改善されなかったので、嫌がらせのためにやった」と容疑を認めており、同署は建造物損壊の容疑で近く住職を書類送検する方針だ。
お清めの塩が嫌がらせの道具に。男性住職は昨年6月から9月の数回にわたり、約8メートル道を隔てた向かいの運送会社のシャッターに塩をばらまき、さびさせ、約38万円の損害を与えた疑い。まさかの暴挙は、運送会社が設置した防犯カメラに、塩をまく住職の姿が鮮明に映し出されていたことで、明らかになった。
被害を受けた運送会社の従業員によると「防犯カメラに、大型スクーターに乗った住職が、2往復くらいしながら塩をまく姿が映っていた。盛り塩をされた時もあったし、掃除をすると、ちりとりが塩でいっぱいになった。4、5年以上前からで、昨年が一番ひどく、1日おきだったこともある」と、相当な嫌がらせが、何度も繰り返されていたという。堺署の調べでは、住職は多い時で1キロの袋入り塩をまき、時には寺からホースをひいて水をまき、塩をわざわざ溶かしていたこともあったという。
被害を受けたシャッターは、高さ4メートルの大型3枚を含む計10枚。社員がサンドペーパーを使ってさびを落とし、防さびペンキを塗って対応してきたが、塗り直してもすぐにさびるため、昨年8月29日にシャッターの上部に防犯カメラを設置。翌30日にシャッターに何かをまく人物が映っていたが、不鮮明で特定にいたらず、2台目のカメラを9月6日に設置。すると、約2週間後の同17日に、犯行中の住職の姿が鮮明に記録されていたため、ビデオを同署に持ち込み、被害届を出したという。
現場周辺は昼間でも閑静な地域で、運送会社は約15年前に同所に移転してきた。住職は従業員に対し「道路を金もうけに使うな」と、大型トラックの駐車や、エンジン音などの騒音に対して、たびたび苦情を言っていたという。犯行は会社のシャッターが下ろされている午後5時半から早朝までの時間帯を狙って行われ、スクーターは寺には戻らず、道路をそのまま真っすぐ走り去る姿が映っていたという。住職は「仏門にかけて反省します」と、話している。
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