2009年01月23日(金) 20時24分
【被害者参加制度】遺族会見「傍聴席とは違う」(産経新聞)
「思いは伝わったと信じています。ただ、被告には反省が感じられず、怒りがわいた」。危険運転致死罪の公判後、参加した被害者の妻が会見し、言葉を時折つまらせながら、こう語った。同じく参加した被害者の兄は「怒りは増えたが、伝えなければ裁判官は思いを知らないまま。傍聴席に座っているのとは違う」と語った。
法廷で2人に付き添った弁護人は「裁判の進行に遺族への配慮があり、遺族がいることが法廷の空気を変えた。裁判所にとって遺族は片時も無視できない存在になった」と評価した。
会見で妻は、事故の1カ月前に撮影したというピースサインの夫の遺影を掲げ、こらえていた涙を流した。「判決に思いを反映して実刑にしていただきたい。判決の日も来ます」。判決言い渡しは2月20日。
一方、今回の裁判を傍聴した「全国犯罪被害者の会(あすの会)」代表幹事の岡村勲弁護士は「被害者にとって法廷は救いの場でなければならない。いい制度ができた」と語った。
「被害者と司法を考える会」代表の片山徒有(ただあり)さんは「遺族が自分の言葉で語るのは重要だが、被害者の負担が大きすぎる」との懸念を示した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090123-00000599-san-soci