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2009年01月23日(金) 22時09分

<多剤耐性菌>23人集団感染 4人死亡の関連調査 福岡毎日新聞

 福岡大学病院(福岡市)は23日、ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性アシネトバクター・バウマニ菌に入院患者23人が院内感染したと発表した。このうち4人が死亡したが、同病院はうち2人について「感染との因果関係はない」と説明している。残る2人については「感染との関係は低いが、断定はできない」として、国立感染症研究所(東京都)が調査する。厚生労働省によると、多剤耐性化したアシネトバクター菌による大規模な国内での感染例の報告はないという。

 同病院は福岡市の指導を受け、同日から救命救急センターの新規患者受け入れを当分の間中止する。

 病院によると、23人は10〜80代の男女。いずれも重症の病気で入院し、08年10月〜今年1月にアシネトバクター菌が検出された。死亡者のうち2人については死因が判明していないが、複数の別の菌が検出されている。アシネトバクター菌による肺炎も見られないことから、感染が原因で死亡した可能性は低いという。

 感染した患者のうち22人は救命救急センターの集中治療室で治療を受けたことがあり、センターで使われた気道確保の際に用いる医療器具から菌が検出されたという。

 病院は08年12月1日に集団感染を認知した。調査の結果、渡航中の韓国の病院から昨年10月20日に転院してきた男性が感染源とみられ、この器具などを通じて感染が広がったとみている。器具は消毒した上で複数の患者で使用していた。病院によると、消毒による再利用は一般的だという。【高橋咲子】

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