2009年01月23日(金) 09時57分
ウィルコムは不況時にいかに役に立てるか──新定額・新端末発表、COREは「順調」(ITmediaニュース)
「不況を実感している。その中でウィルコムがいかに役に立てるか」──1月22日、都内で開いた新サービス・新端末の発表会で、ウィルコムの喜久川政樹社長は、低料金と安心安全という同社の本領に磨きをかけ、不況時に個人・企業に貢献していきたいと意気込んだ。データ通信サービスで苦戦が続くが、今春開始予定の次世代PHSと3Gサービスの導入などで減少を食い止めたい考えだ。
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新端末は、“京ぽん”の最新機種「WX340K」(2月下旬発売)と、カラフルなストレート端末「BAUM(WX341K)」(3月下旬発売)の2機種で、それぞれ京セラ製。
WX340Kは、京ぽん6代目となる折り畳み端末。2.7インチワイドQVGA液晶などを搭載した。BAUM(WX341K)はバウムクーヘンをモチーフにデザイン。好調な音声端末「HONEY BEE 2」と同様のカラフルなストレート端末だが、WX341Kに近い機能を搭載するなどして、ウィルコムユーザーの2台目需要などを取り込んでいく。
それぞれ、同社初のFeliCa端末として「ウィルコムICサービス」に対応。電子マネー「Edy」や「モバイルSuica」などが利用できる予定だ。
●「定額・低額・安心」──3つのアイデンティティー
ウィルコムのアイデンティティーとして、喜久川社長が掲げるのは「定額・低額・安心」の3つ。不況の中、個人と企業に貢献できる低料金なサービスと、「ベーシックな通信会社の役割」という安心安全への取り組み「全力で取り組んでいきたい」と話す。
「定額・低額」への取り組みの一環として2月5日から導入するのが、一新した「ウィルコム定額プラン」だ。月額2900円の基本料金で、加入者同士の通話と電子メールが無料になるのは従来プランと同じだが、新プランではデータ定額料金を実質値下げする。
従来のデータ定額はオプション扱いで、加入した場合は最低でも月額1050円(上限3800円)が必要だった。新プランはデータ定額を標準サービスとし、通信量に応じて0円から利用できるようにし、上限は2800円に抑えた。PC用モデムとして利用した場合も同額の上限2800円でOKだ。
データ定額を利用する場合、従来プランでは、データ通信を全くしない場合でも、月額料金の合計は基本料金2900円+データ定額料金1050円=3950円になる。新プランでは、データ通信を全くしない場合なら基本料金の2900円だけで済む。
法人向けの「新トリプルプラン」(月額1900円)もデータ通信料金を実質引き下げる。他の携帯電話事業者や固定電話向けの通話が多いユーザー向けの「新通話パック」(月額1050円)では、無料通話分を従来の倍となる2100円分にする。
安心安全面では、コミュニティーFM放送をネットで同時配信する「サイマルラジオ」を、「WILLCOM 03」などのスマートフォンで聴けるようにするサービスを始めた。ネットラジオのストリーミング配信サービス「W+Radio」を利用するもので、「コミュニティ・サイマル・ラジオ・アライアンス」に参加する全国23局の放送を楽しめる。
湘南ビーチFMの社長を務めるジャーナリストの木村太郎氏も出席し、「ウィルコムは基地局が多く、災害時の際の情報伝達ツールにもなる」と期待。電波、ネット、モバイルと重層的にラジオを展開できる「全く新しい時代に突入するきっかけになる」と話した。
●「CORE」で3Gサービス検討
4月下旬に開始予定の「CORE」は「スケジュール通り進捗している」と強調。特に16万の既存基地局が強みで、「工事を行うだけ。競合他社との大きな違いだ」と自信を見せる。
COREの方針として、「XGP(次世代PHS)を核に3Gサービスなどを組み合わせて最適なデータ通信を提供する」──と明言。3Gサービスの導入を検討してることを正式に明らかにした。喜久川社長は「いくつかの会社」と交渉していることを認め、「サービスの相性のいい会社があれば検討していく」として一部報道にあったNTTドコモにこだわらない姿勢を示した。
強みだったデータ通信分野で3Gと競合が激化し、昨年後半は加入者数が純減に陥るなど苦戦した同社だが、喜久川社長は「マイクロセルでスピードが落ちないことを評価するお客はたくさんいる。高速性を求めるお客にはXGPや3Gを組みあわせ、データ加入者の減りは確実に、早期に止めたい」と話している。
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