国産ブラウザー「Lunascape」がこのほど英語版「Lunascape5 Genesis」をリリース。「インターネットエクスプローラ」(IE)を「Firefox」が追い、「Google Chrome」も登場して激しさを増すブラウザー市場でのシェア争いに名乗りを挙げた。
ルナスケープは、2001年に当時早稲田大学在学中の近藤秀和さん(現・ルナスケープ社長)が発表。IEと互換性が高く、「お気に入り」などの共有が簡単なうえ、表示が速いことなどから、国内で累計1000万回以上ダウンロードされ、現在、約86万人が利用しているという。
今回英語版でリリースしたのは、9月に日本語でテスト版「α1」を出し、改良を加えてきた「α3」バージョン。IE、ファイアフォックス、グーグルクロームの主力ブラウザーがそれぞれ使用する3つのレンダリング(表示用)エンジンをすべて搭載しているのが特徴で、ユーザーはサイトごとに最適なエンジンを切り替えて使える。また、ウェブサイトで多用される簡易プログラムJavaScriptの表示では、主力3製品をしのぐ速さを実現。「IEは表示速度が遅い」「ファイアフォックスで表示できないサイトがある」といったユーザーの不満を解消できるとしている。
英語版リリースに向け、6月にシリコンバレーに支社を設立した近藤さんは、「ブラウザーは、エンジンに地道に細かいチューニングを重ねることで、より速く、より使いやすくできる。専業で7年取り組んできた我々が、マイクロソフトやグーグルと戦えない理由はない」と語る。日本メーカーが国際競争力に乏しいソフトウエア分野で「3年以内にシェア1%」を目指す。(2008年12月24日発売「YOMIURI PC」2009年2月号から)