ライブドア(現LDH、東京)の粉飾決算事件で、保有していた同社株の急落で損害を受けたとして、フジテレビの親会社「フジ・メディア・ホールディングス」(東京)が約345億円の損害賠償を求めた訴訟は22日、LDHがフジ側に請求額の九割の約310億円を支払うことなどにより、東京地裁で和解が成立した。
LDHは、元ライブドア社長堀江貴文被告(36)ら旧経営陣に約35億円の損害賠償を求め同地裁に提訴しており、今回の支払い分も請求額に追加する方針。
訴状などによると、フジ側はニッポン放送の経営権争奪戦で、当時のライブドアが保有していたニッポン放送株を全株取得するとともに、ライブドアの第三者割当増資に応じ、2005年5月に約440億円で約1億3000万株を取得した。
しかし06年1月に東京地検特捜部が強制捜査に踏み切った後、ライブドア株は急落、上場廃止となった。フジ側は同3月、全株を売却したが、約345億円の損失が生じた。
フジ側は「粉飾された業績を前提に増資を引き受けた。ライブドア側に証券取引法(現・金融商品取引法)に基づく賠償責任がある」と主張していた。
ライブドア株下落をめぐっては、東京地裁が昨年6月、信託銀行などが起こした訴訟でLDHに約95億円の賠償を命令。約3300人の個人株主らが約230億円の損害賠償を求めた訴訟は5月に判決が言い渡される予定。
堀江被告は、ライブドアの2004年9月期連結決算で株売却益や架空利益を不正に計上し、約53億円を粉飾したなどとして起訴され、1、2審で実刑判決を受け、上告中。
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