2009年01月22日(木) 16時54分
【総連事件公判 佳境】(5完)“好青年”が出資を約束 「満井ノート」の書き込みは…(14:35〜14:52)(産経新聞)
《左陪席の男性裁判官が、満井忠男被告への質問を続ける。緒方重威(しげたけ)被告と河江浩司元被告=有罪確定=は平成19年5月26日に、航空ベンチャー会社社長のAさんと会い、朝鮮総連中央本部の土地・建物をめぐる資金調達について相談。この後、満井被告は河江元被告から、Aさんが「登記があがるまでにお金は用意できる」と話していた、という説明を受けたという》
裁判官「あなたは、その説明を信じたのですか」
満井被告「はい、そうです」
裁判官「満井ノート(2)の44ページ目を見てください」
《「満井ノート」とは、満井被告が総連本部をめぐるやり取りを記載したノートのことだ》
裁判官「ここには『5月26日pm1時ごろ、緒方弁護士、河江会談」とあります。ここの上から6行目に緒方弁護士の証言で『Aさんは好青年で…』とある後に『6月12、13日までに(金を)用意できると言ってくれた』とあります。先ほどの(6月18日までという)説明とは、どちらが事実ですか」
満井被告「要するに、確か(6月)10日が日曜日だったんです。登記(の移転)には1週間から10日ぐらいかかるということで、緒方先生に私が『登記が上がるのが11日だから(資金を用意する期限は)12か13になりますね』と言ったから、こう(ノートに)書いたんだと思います」
裁判官「これは緒方被告が言った内容ではないのですか?」
満井被告「緒方先生と私のやり取りの中で…。中国(旅行)に行く予定も入っていたので、それも加味して私は『じゃあ、12か13ですね』と言ったんです」
裁判官「Aさんからそういう話があったというのではないですか?」
満井被告「緒方先生からは『10日ごろ』という話があっただけです。お金が入ってからでないと処理できないので『じゃあ、12か13ですね』と、ここに書いたんだと思います」
裁判官「前回の公判で『緒方被告が、6月12か13にAさんが金を振り込むと言っている。それを前提に登記を移そうと言っていた』と証言していましたが? こういう発言はありましたか」
満井被告「登記が上がるのが6月11日ぐらい、と河江の報告にあったので『じゃあ、取引は12か13だね』という話が出てきました」
裁判官「そうすると、Aさんの金が届くのは、(中央本部の売買契約を結んだ)5月31日の時点で6月12か13になると思っていたということですか?」
満井被告「違います。河江の報告だと、『送金手続きは金主の人とやっているので、6月になったら(お金が)入ってきます』ということでした。私の認識としては、お金は6月10日ぐらいまでには入るんだなあと思っていました」
《この後、裁判官は河江元被告に登記料などを渡した経緯を確認。満井被告が総連から受け取ったお金についても質問した》
裁判官「朝鮮総連から2回目に支払われた1億2500万円のうち、2500万円は被告の手数料ということでしたが、これは5年間分ですか?」
満井被告「そうではなく、宅建業法では仲介手数料は1カ月分と決まっています」
裁判官「途中で(中央本部の売買価格が変わり)家賃相当分も3億円から3億5000万円に変化していますが、それに合わせて手数料の増額はしなかったのですか?」
満井被告「本来はそうなんですが、(売買金額を)30億円でずっと進めてきた経過があったので、最終的に調整をしましょうと、許さん(許宗萬・朝鮮総連責任副議長)と話していました」
《午後2時52分、裁判長が閉廷を告げた。緒方、満井両被告も、軽く一礼して帰り支度に取りかかる。2月9日午後1時15分から開かれる次回公判では、保留されていた調書の採否を裁判所が決定し、その結果に応じて今後の期日が決まる見通しとなった。弁護側が取り調べ手法の問題点を指摘するため、再び捜査関係者に対する証人尋問を求める可能性もある》
=(完)
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「日本には誠意通じない」北朝鮮の党機関紙
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