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2009年01月22日(木) 15時42分

【総連事件公判 佳境】(1)「それじゃーダメだよ」勝手に金を流用しようとした部下を叱責(13:15〜13:35)産経新聞

 《在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)中央本部の不動産や資金をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた元公安調査庁長官、緒方重威(しげたけ)被告(74)と元不動産会社社長、満井忠男被告(75)の第31回公判が22日午後1時15分、東京地裁(林正彦裁判長)の104号法廷で開廷した。満井被告に対する8回目の被告人質問が行われる。長い時間をかけた被告人質問は今回で終了する予定だ》

 《緒方、満井両被告とも初公判以来、起訴事実を一貫して強く否認している。被告人質問で両被告側は、取り調べの際にいったんは罪を認めたことが、「強引な取り調べによるものだった」とする主張を繰り返しており、捜査の問題点を突こうとする質問が目立っている。直近の被告人質問が行われた昨年12月24日の公判では、満井被告が「(罪を認めた)緒方はヘリが迎えにきたぞ、(否認している)あんたは滝壺に突っ込むぞ」と検事に言われたなどと説明した》

 《1月19日に行われた前回公判では、緒方被告から逮捕前に相談を受けていた弁護人の1人が証人として出廷。「逮捕直前、総連側代理人だった土屋公献弁護士が『(緒方被告らの行為が)犯罪にあたらないと確信している』と話していた」と証言したのに加え、緒方被告らがギリギリまで資金調達に奔走していたとして、詐欺の意図がなかったことを主張した》

 緒方被告の弁護人「以前の公判で、平成18年3月10日に(韓国商社社長の)○さん(実名)から送金された60万ドルについて、満井被告は(被告が実質支配する)医療電子科学研究所株の名義変更まで、同社の資金繰りに資金を使わせてほしいという話を、○さんにしたということですが、○さんとの間で合意はあったのですか」

 満井被告「私との間にはありました」

 緒方被告の弁護人「緒方さんには話しましたか」

 満井被告「直接は言っていません」

 《緒方被告の弁護人はまず、満井被告の知人の韓国商社社長から、「医療電子科学研究所」の株式購入名目で、3月と5月の2回に分けて送金された計120万ドルについて質問を始めた。検察側の冒頭陳述によると、この120万ドルは緒方被告への顧問報酬と医療機器開発会社の株式投資金として送金されたもので、韓国商社社長に返済しなければならない性質の金ではなかったとしている》

 緒方被告の弁護人「18年5月26日の2回目の60万ドルの送金についても、医療電子科学研究所の資金繰りに使うことについて、○さんとの間で合意はしていましたか?」

 満井被告「はい」

 緒方被告の弁護人「○さんから緒方被告を経由して医療電子科学研究所に入ってきたお金はいくらだったか、経理担当者に調べるよう指示しましたね」

 満井被告「はい。担当の△△(実名)に確認するよう言いました」

 緒方被告の弁護人「○さんからお金を返してほしいと言われる可能性があったからですか?」

 満井被告「はい。○さんとそのやりとりはしていませんでしたが…」

 《ただ、株式の名義変更まで時間がかかることから、満井被告は医療電子科学研究所の決算上、外部からの借り入れがないことが望ましいと判断。韓国商社社長からの金を緒方被告を通じて、返還しようとしたという》

 緒方被告の弁護人「○さんにお金を返すことを緒方さんに言いましたか」

 満井被告「いいえ」

 緒方被告の弁護人「何で言わなかったのですか」

 満井被告「○さんが何かの事情で返還を要求してくるかもしれない…」

 《ここで裁判長が「意味が分かりません」とすかさず指摘。満井被告は証言を整理する》

 満井被告「(金の返済については)○さんに会ってからでもいいと思っていたので、緒方さんには言いませんでした」

 緒方被告の弁護人「緒方さんから『○さんの口座を教えてほしい』と言われたことはありませんか」

 満井被告「あります」

 緒方被告の弁護人「それはいつですか?」

 満井被告「19年4月の終わりごろです」

 緒方被告の弁護人「記憶ははっきりしていますか?」

 満井被告「4月25日前後だったと思います」

 緒方被告の弁護人「○さんに返すお金は1億2000万円ですよね。それなのに、緒方さんの口座に振り込んだのは7000万円ですよね。なぜですか?」

 満井被告「医療電子科学研究所の□□(実名)が、7000万円しか振り込まなかった。私は1億円を振り込むよう□□に指示したが、□□携帯電話で聞いたところ、『3000万円は会社の運転資金に使おうと思った』と言った。私は『それじゃー、ダメだよ』と言いました」

    =(2)に続く 

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