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2009年01月22日(木) 12時11分

【神隠し公判5日目】(3)家出疑った警察官 「血が付いて、靴もあるのに…何言っているの!」(10:30〜10:45)産経新聞

 《検察官は東城瑠理香さんの姉に質問を続けている。法廷内の大型モニターには東城さんと撮影した多くの写真が映し出され、仲の良かった姉妹の日常生活が伝わってくる》

 検察官「(平成20年)4月3日、あなたは遅く帰ってきましたね?」

 姉「はい」

 《モニターに姉と瑠理香さんの携帯電話のメールのやりとりが映し出される》

 《内容は、姉が「今終わったよ」(午後11時22分)、瑠理香さんが「帰ってこれるの?」(同51分)などのやりとりが続き、姉が「駅ついたけどお腹すいたから、すき家で食べていくよ」(午前0時27分)といったものだ》

 検察官「瑠理香さんからこの後、電話がありましたか」

 姉「はい。『私もすき家に行ってあげる』と言っていました」

 検察官「瑠理香さんはどうしましたか」

 姉「お腹が空いていなかったのでサンクスでお菓子を買って、私がご飯を食べている間、お菓子を食べていました」

 検察官「疲れていたあなたに付き合って、いたわってあげたわけですね」

 姉「はい」

 《大型モニターには、続いて犯行前日となる4月17日夜のメールのやりとりが映し出される》

 《内容は、姉が「終わったよ」(午後7時6分)と送り、瑠理香さんが「私も帰りで、ららぽ(ららぽーと)で靴下買っていくから待っている」と返信し、仕事帰りに2人が自宅近くのショッピングモール「ららぽーと豊洲」で待ち合わせをしたものだ》

 検察官「待ち合わせ場所についた時、瑠理香さんの様子はどうでしたか」

 姉「手を振っていました」

 検察官「その後どうしましたか」

 姉「タイツをみてから自転車で帰りました」

 検察官「天気はどうでしたか」

 姉「雨が降っていました」

 検察官「どうしましたか」

 姉「自転車で強行突破して帰りました」

 《人と一緒にいるのが嫌という理由から、タクシー通勤をしていた星島貴徳被告に対して、東城さんがつつましく暮らしていたということを検察官は強調したいようだ》

 検察官「晩ご飯はどうしましたか」

 姉「前日にスーパーで買い物していた食材で作って食べました」

 検察官「料理は誰がしましたか」

 姉「私です」

 検察官「この晩が瑠理香さんと過ごした最後の夜になったのですね」

 姉「はい」

 《大型モニターには、携帯電話のメールの画面から、瑠理香さんの顔がアップにされた写真が映し出される。4月17日午後9時過ぎに撮影されたものだ」

 検察官「これが撮った最後の写真になったのですね」

 姉「はい」

 検察官「その晩の様子はどうでしたか」

 姉「何も変わったことはありませんでした」

 《何気ない生活のなかで東城さんとの最後の晩を迎えた姉。そして質問は事件当日、4月18日の様子に移っていく》

 検察官「警察官から事件の話を聞いてどう思いましたか」

 姉「手首を縛られ車で連れていかれ、どっかにいると思いました」

 検察官「破れたタオルが残されていたことには」

 姉「口を縛られているのではないかと思いました」

 検察官「落ちていたピアスをみてどう思いましたか」

 姉「耳が引きちぎれ血がでているのだろうと思いました」

 検察官「心の中であなたはどう思っていましたか」

 姉「外に見つけに行きたいと思っていました」

 検察官「あなたの体はどうなっていましたか」

 姉「震えていました」

 検察官「あなたが取り乱したらどうなると思いましたか」

 姉「警察の捜査が進まず見つからなくなると思いました」

 《モニターに携帯のメール画面が映し出される。18日午後9時42分に父親から「今出た、がんばれ」。母親から同10時25分に「大丈夫と願っていて」などといった文面だ。不安で胸が張り裂けそうな親子の様子が伝わってくる》

 検察官「あなたはこの時どう思いましたか」

 姉「『早く来てほしい』と。すごく寂しかったです」

 検察官「警察官に、瑠理香さんが自分で失踪した可能性について、聞かれたことはありましたか」

 姉「ありました」

 検察官「どう思いましたか」

 姉「(室内に)血も付いていて靴もあるのに、何を言っているんだと思いました」

 検察官「防犯ビデオを見ればどうなると思いましたか」

 姉「すぐに瑠理香が誰かに連れ去られているのが分かると思いました」

 検察官「カメラには何が写っていると思いましたか」

 姉「全身黒ずくめの男がマスクをつけて(東城さんの)首に包丁を突きつけてさらっていると思いました」

 検察官「防犯カメラはすぐにみられましたか」

 姉「マンション側が渋っていたのですぐには見られませんでした」

 検察官「どう思いましたか」

 姉「早くしてほしい。(瑠理香さんが)遠くに行ってしまうと」

 検察官「(犯人に)心当たりはありましたか」

 姉「全くありません」

 《姉は検察官の質問にてきぱきと気丈に答えていく》

 検察官「(18日)午後11時5分から実況見分が行われ、立ち会いましたね」

 姉「訳が分かりませんでしたが、今できることからやらなければと思いました」

 検察官「19日午前2時前ごろに母親が到着しましたが何を話しましたか」

 姉「『大丈夫すぐにみつかる』と話しました」

 検察官「母親の様子は」

 姉「足がふらついて立っていられない状態でした」

 検察官「警察であなたは朝まで事情聴取を受けましたね」

 姉「はい」

 検察官「聴取された時にあなたは瑠理香さんがいなくなったことに現実感はありましたか」

 姉「ありません」

 検察官「なぜですか」

 姉「今までいなくなったことがなかったからです」

 《モニターには19日午前9時半ごろ、警察の現場検証に姉が立ち会っている写真が映し出される》

 検察官「聴取は朝まででしたが、疲れはありませんでしたか」

 姉「いいえ」

 検察官「どうして頑張れたのですか」

 姉「瑠理香が頑張っているのだから私も頑張らなきゃと」

 検察官「前の日は寝ていませんが、19日の夜は眠れましたか」

 姉「眠れませんでした」

 検察官「どうしてですか」

 姉「『瑠理香はどこにいるんだろう、どんな様子でいるんだろう』と思って眠れませんでした」

 検察官「殺す人を想像できましたか」

 姉「できませんでした」

 検察官「あなたは泣いていましたか」

 姉「いいえ」

 検察官「どうしてですか」

 姉「泣くと心を乱して瑠理香を見つけられないと思ったからです」

   =(4)に続く

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