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2009年01月22日(木) 11時34分

【神隠し公判5日目】(1)留学でオーラまとった瑠理香さん「居場所を見つけたい」(9:59〜10:15)産経新聞

 《東京都江東区のマンションで、2軒隣に住む会社員の東城瑠理香さん=当時(23)=を殺害して遺体をバラバラにし、トイレに流すなどして捨てたとして、殺人、死体損壊、死体遺棄など5つの罪に問われた星島貴徳被告(34)に対する第5回公判が22日午前9時59分、東京地裁104号法廷で始まった。今回は正午までの2時間の開廷予定。東城さんの姉の2回目の証人尋問などを行う。当初予定していた被告人質問は行わない予定だ》

 《13日の初公判から3回連続で被告人質問が行われてきたのに続き、前回の20日は、東城さんの親族や上司ら計5人が出廷して証人尋問が行われた。このうち、弁護側請求の唯一の証人となった星島被告の元上司の男性は、逮捕前に開かれた酒席で「あれは女の自作自演だ」と星島被告が話していたと証言した。また、東城さんの母は「どんなにバラバラにされても、かき集めて瑠理香の体にして、抱きしめてあげたい」、「もちろん死刑(を望む)」などと厳しい遺族感情を吐露した》

 《茶色がかった長い髪を後ろで結んだ東城さんの20代の姉が立ち上がる。これまでの公判によると、東城さんは姉、妹がいる姉妹の真ん中で、3人はとても仲が良かった。姉は1月13日の初公判でも証人として法廷で証言している》

 検察官「今回は生前の瑠理香さんの生活や事件後の生活、今のあなたの気持ちなどをうかがいます。平成15年4月から、錦糸町で3姉妹一緒に住んでいましたね」

 姉「はい」

 検察官「どんな気持ちでしたか」

 姉「『またきょうだいで暮らせるので楽しくなる』とうれしく思いました」

 《傍聴席にはこの日も、東城さんの遺族とみられる10人ほどが前列に座る。星島被告は過去4回と同様に黒いタートルネックに黒いズボン姿。生気のない色白の顔で、今回も入廷時から遺族の方にはまったく目を向けていない》

 検察官「瑠理香さんは相模女子大まで何分かけて通っていましたか」

 姉「2時間ぐらいです」

 検察官「片道ですか」

 姉「はい」

 検察官「休まず通っていましたか」

 姉「はい」

 検察官「瑠理香さんは16年3月にカナダに留学しましたが、費用はどうしましたか」

 姉「奨学金です」

 検察官「卒業後に返していましたか」

 姉「母と瑠理香で月に1人1万円ずつ返していました」

 《留学中は瑠理香さんの要望で、即席みそ汁やそうめん、お気に入りのブランドのTシャツなどを送っていたという。留学を終えたのは3年後の19年3月だ》

 検察官「帰国してすぐに会いましたか」

 姉「はい。すごくやる気に満ちたオーラに包まれていて、楽しそうでした」

 検察官「瑠理香さんは大学3年ごろ、どんなバイトをしていましたか」

 姉「カフェやホテルのウエートレス、有楽町阪急の洋服販売、あと雑誌のインターンです」

 検察官「特に楽しそうだったのは」

 姉「雑誌のインターンです。『上司が仕事を教えてくれてうれしい』と言っていました」

 検察官「仕事への気持ちはどんなものだったんでしょうか」

 姉「『自分のやりたいことを見つけて、居場所を見つけたい』と言っていました」

 《法廷の大型モニターを使い、瑠理香さんに関する写真が次々に映し出される。3姉妹といとこの写真、姉から瑠理香さんにプレゼントした手作りのビーズアクセサリーなどだ。だが、仲が良かった3姉妹も、いったんは別居することになったという》

 検察官「住んでいたマンションの契約はいつまででしたか」

 姉「19年2月までです」

 検察官「更新するつもりは?」

 姉「ありませんでした。4年も住んだので新しい所に住みたかったので」

 検察官「誰が探しましたか」

 姉「瑠理香です」

 検察官「3人の意見は一致しましたか」

 姉「一致しませんでした」

 検察官「瑠理香さんは?」

 姉「すごく疲れていました。結局、アルバイトしていた○○(会社の実名)の応接室みたいなところに住んでいいということになり、瑠理香はそこに住むことになりました」

 検察官「別々に住んでからよく話しましたか」

 姉「よく話しました。週2、3回か、3、4回か…。会社が休みの前日の夜から、1日中遊んだりしました」

 《19年7月に3姉妹で東京ディズニーシーに遊びに行ったときの写真が映し出された》

 検察官「瑠理香さんは19年3月に大学を卒業しましたが、このころ両親が離婚していますね。あなたと○○さん(妹の実名)はどうしましたか」

 姉「△△に名字を変えました」

 検察官「瑠理香さんは?」

 姉「1人で戸籍をつくって、東城のままでいました。『外国に行ったときにトウジョウのほうが発音しやすいし、20歳過ぎたので戸籍をつくって自立したかったから』と言っていました」

 検察官「19年9月からまた一緒に暮らしていましたね」

 姉「別々に住んでいてもよく遊んでいたし、寂しかったから…」

 検察官「何というマンションですか」

 姉「○○(東京・芝浦のマンション)です」

 検察官「家賃はいくらですか」

 姉「18万円だったので、1人6万円です」

    =(2)に続く

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