2009年01月21日(水) 13時34分
【小室被告初公判(5)】被害者調書「小室さんとお会いしなければ…」(産経新聞)
《木村被告から“著作権ビジネス”を持ちかけれた被害者。法廷ではさらに被害者の供述調書の朗読が続く》
・法廷内の小室哲哉被告
検察官「私は平成17年1月ごろ、小室被告がリーダー音楽ユニット、globeの3枚組CDを木村被告からもらいました。結成10周年のベスト盤の限定生産で、小室被告のサインが入っていました。こうしたことから私は、木村被告と小室被告がかなり親しいことを知りました。でも、木村被告から電話で連絡があった際に、『小室さんに出資しませんか』と持ちかけられましたが、『興味ないです』と断りました」
《調書が読み上げられる間、小室被告は微動だにせず、まっすぐ前を向いて聞き入っていた》
検察官「私は、木村被告からの電話以降、テレビや週刊誌などで取り上げられる小室被告について意識するようになりました。小室被告は平成10年ごろから香港に活動の拠点を移転し、高額納税者番付の常連となったようです。しかし平成13年以降は香港での事業もうまく運ばず、2億5000万円あった年収が8000万円ほどまで減少。さらに平成14年3月には前妻と離婚。約3億円以上の慰謝料の支払いも滞っていることを知りました。こうした背景に、木村被告からの著作権売買の話が持ち上がったのだと思うようになりました。こうした多額の借金を支払うために、最後の財産といえる自分の楽曲の著作権を私に売りたいと思っているのだろうと思いました」
《こうしたやりとりの間も、小室被告はしきりとまばたきを繰り返したものの表情を変えることはほとんどなかった。さらに被害者の調書が読み上げられる》
検察官「平成18年6月ごろ、木村被告から再度、私に電話がありました。木村被告は『小室さんの資金繰りが悪化している。クレジットカードの支払いもできない状態です。音楽活動を続けるための資金をつくりたいと小室さんが言っているので、著作権を買ってくれませんか』という内容でした。そこで私は『週刊誌などで小室さんの事情はある程度知っている。小室さんと直接、お会いして意思を確認したい』と伝えました」
検察官「すると、木村被告から『(小室被告も役員を務めるイベント企画会社の)トライバルキックスの社長と話をしに行くので、会ってくれないか』との連絡が入り、木村被告と社長が私の自宅に来て、小室被告への融資を依頼しました。社長からは『小室さんは金に困っている。800曲の著作を担保にして5億円を融資してほしい』と持ちかけられました。そして、音楽著作権に関することについて説明を聞きました。さらに社長は『大手広告代理店などからも小室さんの著作権を買いたいというオファーがあります。17億〜18億円くらいの査定です。つなぎ資金として融資してくれませんか。自分の保険を担保にしてもいいです』と続けました。そこで私は『まったくの素人なので、なんとも答えようがない。小室さんに実際に会って意思を確認しなければ、どんな案件も了承できない』と答えました」
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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090121-00000562-san-soci