2009年01月21日(水) 12時28分
【小室被告初公判(3)】「僕はこれでも名が知れた男です」(産経新聞)
《続いて、小室被告が木村隆被告(57)ら共犯者と知り合った経緯を述べる検察官。小室被告は彼らと相談の上で自身が作った曲の著作権を二重譲渡し、いよいよのっぴきならない状況へと追い込まれていく》
・大阪地裁前で頭を下げる小室哲哉被告
検察官「被告人の資金繰りが破綻状態になった経緯です。被告人は銀行などへの債務など合計17億8000万円の債務を負う一方、平成17年7月には収入が年間約5000万円まで減り、もはや金融機関からの借り入れはできなくなっていました。平成18年には銀行に対する返済も、遅れながら時々する状態になっていました」
《そして、小室被告は今回の詐欺事件の被害者に融資を依頼していく》
検察官「このように被告人の資金繰りが破綻状態になる中、木村被告らは平成18年6月、通信販売業を営んでいる被害者に、被告人への融資を持ちかけました。融資そのものは断られたものの、『音楽作品の全著作権を10億円で譲り受けることには興味がある』と言われました」
《いよいよ冒頭陳述は、今回の事件の犯行状況に移った》
検察官「被告人は平成18年7月、東京都内の被告人マンションにあるスタジオで、木村被告らと被害者に著作権の譲渡代金名目で10億円を拠出させる方法について話し合いました。木村被告は、被害者が慎重な性格であることから、『あの人はすごく慎重な人ですよ。著作権をすでに譲渡していることを正直に話せば、お金を出さない』と提案し、被告人も『とりあえず目先のことが大事でしょ。その辺は言わなくていいよ』などと応じました」
《小室被告が口にした文言が明らかにされ、身を乗り出す報道関係者も。一方、小室被告は前を向いたまま身動き一つしなかった》
検察官「そこで木村被告らは被告人の提案を了解し、共謀が成立した。被告人は平成18年7月30日ごろ、東京都港区のホテルで木村被告らとともに被害者らと会い、『ジャスラックに登録してある806曲の著作権を10億円で買っていただきたい。著作権はすべて僕にある。売買代金を支払ってもらえれば差し押さえを解除してもらいます』と言った。この際、瑕疵(かし)がない状態で譲渡するよう言われ、『僕はこれでも世間で名の知れた男です。逃げも隠れもしません』などと言い、被害者を信用させ、10億円を出す旨了解させた」
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