2009年01月21日(水) 10時04分

日本と韓国のオンライン音楽市場動向（japan.internet.com）

オンライン音楽市場は、デジタルコンテンツの中で最も速く成長を遂げた分野だ。1999年、アメリカの「ネブスト」から始まり全世界に広まった P2P サービスで1番多くダウンロードされているコンテンツが音楽ファイルと映画であり、MP3 プレイヤーの大成功によりデジタル音楽市場は爆発的に成長した。

しかし、オンライン音楽市場の成長の裏には不法音源ダウンロードという暗い一面もあり、有料コンテンツより不法ダウンロードの利用が大きく増加し、著作権侵害などの問題が現われた。

2008年、国際アルバム産業連盟（IFPI）が発表した 「デジタル音楽報告書（Digital Music Report）」によると、2007年、全世界のデジタル音楽市場は29億ドル（約2兆7,000億ウォン）規模で、5年ぶりにおおよそ1,000倍の急成長をとげている。しかし、不法ダウンロード市場が合法市場の20倍に達するほど相変らず不法ダウンロードの規模は莫大だ。

また「デジタル音楽報告書」では、韓国を「デジタル音楽産業において大きな成長の可能性を持っているが、一方では矛盾している市場」と定義した。世界で初めてデジタルアルバム市場が、オフラインのアルバム市場規模を超えたチャンスの地とも考えられるが、実際は不法コピー盤で CD 市場が急激に縮小する不安定な姿も見せているのだ。

このような問題は数値で確認することができるのだが、韓国著作権保護センターが2007年末発表した報告書によると、2006年の1年間、韓国国内のインターネット利用者が、1人あたり1か月に平均45曲も不法ダウンロードをしているという計算が出るほど、不法ダウンロード問題は深刻だ。

また2008年9月、韓国インターネット振興院が発表した「2008年インターネット利用実態調査」によれば、満3歳以上のインターネット利用者の92.9％がインターネットを通じて 「音楽、ゲーム、電子本などで暇つぶし」をしており、インターネット利用者の4人の1人はファイル共有サービスを利用しているということだった。

そして、ファイル共有サービスの中でも、主に音楽（78.7％）または映画（74.3％）ファイルをダウンロードやアップロードしているという結果だった。

P2P サイトを利用したファイルダウンロード以外に、デジタル音楽コンテンツの利用のために1番よく使われているのが音楽感想サイトだ。韓国では現在「ドシラック」「メロン」「バックス」など、3つの業社が60％以上のシェアを記録している。（Rankey.com 1月20日ランキング順位基準）

この中で上位を占める業社である「ドシラック」と「メロン」はそれぞれ KTF と SK テレコムという移動通信業界の代表企業がサービスを提供している。既存の MP3 ファイルを利用した音楽感想が主流だったオンライン音楽市場に、オフラインの大企業である移動通信企業が進出し、着メロや通話連結音などのサービスを提供したことで市場は急激に成長した。

一方、韓国よりモバイルインターネットの利用が普遍化された日本の場合は、インターネットの有料コンテンツを利用しているユーザーの61.6％が音楽コンテンツを購入し、音楽コンテンツを利用した経験があるユーザーの4分の1以上が、1か月に2回以上利用しているという調査発表がある。

また、利用サイトは iPod の人気ぶりを証明するように iTunes が41.3％を占め、それ以外のサイトが52.9％を占めるという結果であった。日本レコード協会によれば、2007年上半期の日本オンライン音楽市場の売上げは351億9,300万円で徐々に成長している。

オンライン音楽市場が携帯電話を中心に動いている日本での MP3 市場の成長は限界にぶつかった状態で、これからは飽和状態に達した市場の中で、シェアをどうやって獲得していくかが勝負の鍵になると考えられる。

映画に比べて容量が軽く、比較的お手ごろな金額で購入できるデジタル音楽コンテンツは、今後もインターネットを通じたコンテンツ消費の増加と共に、より大きな市場として成長していくことは明確だ。今後のオンライン音楽市場に注目したい。

記事提供:株式会社メディアチャンネル

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