2009年01月21日(水) 16時28分
日経平均続落、8000円前後の水準維持できるか注目(ロイター)
[東京 21日 ロイター] 東京株式市場では日経平均が続落。終値で8000円を割り込み、昨年12月2日以来の安値水準に下落した。オバマ米大統領就任式を終え好材料出尽くしとなったほか、欧米金融セクターへの不安感や円高が株価を圧迫、一時7800円台に下落した。
しかし、朝方の売りが一巡すると下値では買い戻しも入り、後場は方向感を失って7900円台を中心に下値もみあいが続いた。市場では、日経平均が心理的な節目で足元レンジの下限でもある8000円前後の水準を維持できるか、またはレンジの下方修正が起きるのかに注目が集まっている。
東証1部の騰落は値上がり387銘柄に対して値下がり1245銘柄、変わらずが81銘柄だった。
オバマ大統領就任式というイベントを終え「新大統領への事前の期待感が収束した」(信託)一方で、米国から欧州に広がった金融セクターへの不安が収まらず、欧米市場では金融株を中心に売りが先行。米ダウ工業株30種は332.13ドル急落して8000ドルを割り込んだ。
為替市場ではポンド、ユーロを中心に売り込まれて円高が進行、対ドルでも90円を割り込むドル安/円高となり、東京市場を圧迫した。センチメントの悪化から先物売りが強まったほか、みずほフィナンシャルグループ<8411.T>など銀行株、トヨタ自動車<7203.T>など輸出関連株を中心に幅広く売られ、日経平均は一時7800円台まで下落する場面もみられた。
しかし、朝方の売りが一巡すると日経平均は下げ渋った。グローベックス市場で米国株先物が小じっかりとなり、きょうの米国株下げ止まりに期待を持たせたほか、円高の動きも一服したため、先物に短期筋の買い戻しが出たという。
ただ、株価位置は微妙だ。日経平均の8000円どころと米ダウ工業株30種の8000ドル前後の水準はともに心理的な節目であり、足元レンジの下限。ここで踏みとどまれないとレンジの下方修正が起きる。市場では「欧州金融セクターの下落は先行きの国有化リスクをにらみ株主利益の行方を懸念している面が大きい」(信託)、「海外金融セクターへの不安は株価レンジの下方修正を招くほどのインパクトはない」(投信)などの声が上がっている。一方で、英金融セクターへの不安が通貨を巻き込む形でポンド安が加速しており、今後の問題の広がりを懸念する声も出ている。
(ロイター日本語ニュース 松平陽子)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090121-00000982-reu-bus_all