2009年01月21日(水) 02時36分
<オバマ大統領就任演説>全文(1)(毎日新聞)
オバマ米新大統領の就任演説の草稿全文は次の通り。
市民の皆さん
私は今日、厳粛な思いで任務を前にし、皆さんの信頼に感謝し、我々の祖先が払った犠牲を心にとめて、この場に立っている。ブッシュ大統領が我が国に果たした貢献と、政権移行期間に示してくれた寛容さと協力に感謝する。
これまで、44人の米国人が大統領としての宣誓を行った。その言葉は、繁栄の波と平和の安定とともに語られることもあったが、暗雲がたれ込め、嵐が吹きすさぶただ中で行われた宣誓もあった。こうした試練の時に米国が前進を続けられたのは、政府高官の技量と展望だけでなく、我々国民が、先達の理想と、建国の文書に忠実でありつづけたためでもある。
それが我々の伝統だった。我々の世代にとっても、そうありつづける。
だれもが知る通り、我々は重大な危機にある。わが祖国は(イランやアフガニスタンで)戦争状況にあり、敵は憎悪と暴力のネットワークを持っている。経済状況も悪く、その原因は一部の人々の貪欲(どんよく)さと無責任さにあるものの、我々はその対処法にも誤り、次世代への準備にも失敗している。多くの人々が家を職を失い、ビジネスもひどい状況になっている。健康保険制度もカネがかかりすぎ、多くの学校(制度)も失敗した。毎日のように、エネルギーの使い方が地球を危険に陥れている証拠も挙がっている。
データや統計が危機を示す。全米で信頼が失われ、アメリカの没落は必然で、次の世代は多くを望めない、という恐れがまん延している。
今日、私は我々が直面している試練は現実のものだ、と言いたい。試練は数多く、そして深刻なものだ。短期間では解決できない。だが知るべきなのは、アメリカはいつか克服するということだ。
この日に我々が集ったのは、恐れではなく、希望を選んだためで、争いの代わりに団結を選んだからだ。
この日、我々は実行されない約束や悲しみを終わらせ、これまで使い果たされ、そして政治を長いこと混乱させてきた教義などをやめる。それを宣言するためにやって来た。
我々はいまだ若い国家だ。だが、聖書は子供じみたことをやめる時が来たと指摘している。我々が良い歴史を選択してきた不滅の精神をもう一度確認する時が来た。
我々は今日、何世代もわたって受け継がれてきた我々の高貴な考え方と、我々の天から与えられた才能を、将来に受け継ぐことを再確認するためにも集った。それはすべての人は平等で、自由で、すべての人々が最大限の幸福を享受できるという神の確約でもある。
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