2009年01月21日(水) 07時48分
オバマ政権、待望の船出=キング牧師の「夢」結実(時事通信)
【ワシントン20日時事】バラク・オバマ第44代米大統領の就任式。710日間にわたったオバマ氏の長い挑戦の旅路の果てに、この日がやってきた。公民権運動指導者のキング牧師が46年前に訴えた「夢」の結実がそこにあった。
出発の朝も厳冬の日だった。2007年2月10日、オバマ氏はリンカーン元大統領ゆかりのイリノイ州スプリングフィールドで出馬を宣言。「この非現実的な探求」への支持を呼び掛けた。04年の民主党大会で演説してから注目株だったとはいえ、黒人で若手の上院議員は本命候補と見られていなかった。
オバマ氏は翌年1月3日のアイオワ州民主党員集会で初勝利するも、直後のニューハンプシャー州予備選で、ヒラリー・クリントン氏に敗北。「イエス・ウィー・キャン(やればできる)」のスローガンが飛び出したのはこの時だ。
2月のスーパーチューズデー以降は破竹の勢いで連勝を続け、クリントン氏を破って主要政党で「初の黒人大統領候補」になった。本選でも、共和党のマケイン候補を相手に終始有利な戦いを進めたが、「人種」の影は常につきまとった。その見えない壁を取り払ったのは、草の根レベルでオバマ支持を結集した市民の力だ。それは、半世紀前の公民権運動でバスの乗車を拒否し、デモ行進に参加した一般市民の姿にも重なる。
オバマ氏が「初の黒人大統領就任」を果たしたワシントンの連邦議会議事堂から3キロ続くモールの西端にリンカーン記念堂がある。1963年8月28日にキング牧師はここで「わたしには夢がある」と訴えた。
「わたしの4人の子供たちがいつの日か、肌の色ではなく内なる人格で評価される国に住めるようになるという夢がある」−。そのモールを再び米国民が埋め尽くした。
【関連ニュース】
・
〔特集・米大統領選〕オバマ氏勝利・次期大統領の素顔とは
・
〔写真ニュース〕オバマ新大統領が就任=米国
・
〔写真ニュース〕一足先に就任祝い=福井・小浜市
・
〔写真ニュース〕キング牧師たたえ、奉仕活動=オバマ氏
・
〔写真特集〕第44代大統領 バラク・オバマ氏
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090121-00000025-jij-int