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2009年01月21日(水) 05時59分

市場万能主義と決別=「機能する政府」へ−オバマ米新大統領時事通信

 【ワシントン20日時事】オバマ米新大統領は20日の就任演説で、ブッシュ前大統領が推進した市場万能主義に基づく経済政策との決別を宣言した。1930年代の大恐慌以来という経済危機の中で、雇用や医療保険の問題を抱える勤労者のために「機能する政府」を目指す。
 「監視の目がなければ、市場は抑制を失う」「富める者だけを優遇していては国家は繁栄できない」。新大統領は、間接的な表現で、金融危機を招いた過度の規制緩和と、勤労層を軽視し富裕層に手厚い減税を行った前大統領の経済失政を批判した。
 新大統領は、史上最大規模の景気対策を、雇用創出だけでなく、代替エネルギー開発など米国の競争力回復につながる基盤整備と位置付ける。
 またルーズベルト大統領以来の民主党の伝統である弱者救済に力を注ぐ「大きな政府」を単純に繰り返すのではなく、国民のニーズに合わない事業は廃止して肥大化を回避する方針だ。
 だが金融規制・監視強化は市場をゆがめる恐れがある。また富裕層減税廃止は景気への影響が避けられないなど、新大統領の公約実現にはハードルが待ち構える。まずは2月中旬の成立を目指す景気対策法案が新政権の経済政策の力量を測る試金石となりそうだ。 

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