トヨタ自動車が、非正規雇用である国内12工場の期間従業員を今夏にもゼロにする方向で調整に入ったことが19日、明らかになった。
トヨタは2008年末時点で4500人いた期間従業員を09年3月末までに3000人に減らす計画を打ち出しているが、世界的な新車販売不振に歯止めがかからないため、もう一段の削減で生産現場の余剰人員の解消を目指す。
自動車業界では、ホンダが期間従業員をゼロにする方針を示しており、国内の雇用情勢に大きな影響を及ぼすのは必至とみられる。
トヨタの期間従業員は、ピークだった05年上半期に約1万1000人、08年3月末には約9000人いた。期間従業員は業績好調時には人員不足となっていた工場での増産体制を支えていた。
一方、正社員(一部パートなど含む)は約6万9000人で、トヨタが運営する病院には派遣従業員が数十人勤務している。
トヨタは、米サブプライムローン問題の影響などで主力の北米事業が落ち込み始めた08年6月に期間従業員の採用を中止。トヨタは従来、非正規従業員の契約期間を4か月〜1年とし、一定期間ごとに契約を更新していたが、08年7月ごろから契約満了になった期間従業員については順次退職させていた。
今年に入り、世界的に新車販売不振が一段と深刻化。トヨタは09年2〜3月の国内での生産台数を前年同期に比べて半減せざるを得なくなり、国内工場で再び人員の余剰感が強まっていた。
渡辺捷昭社長も「正社員の雇用には手を付けたくない」との考えを表明し、期間従業員の大幅な削減は避けられないとの姿勢を示していた。
トヨタは人員削減に際して、期間満了の1か月前には契約を更新しないことを期間従業員に伝え、満了慰労金や報奨金などの手当を支給するなど、期間従業員が次の職場を見つける猶予を与えている。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20081209-206556/news/20090120-OYT1T00105.htm