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2009年01月20日(火) 12時07分

藤里町の2児殺害:精神科医意見書「場当たり的行動」−−控訴審 /秋田毎日新聞

 ◇検察側、争う方針
 藤里町の連続児童殺害事件で、殺人と死体遺棄に問われ1審で無期懲役判決を受けた畠山鈴香被告(35)の控訴審第5回公判が19日、秋田市の仙台高裁秋田支部(竹花俊徳裁判長)であった。
 弁護側の申請により畠山被告と面談した精神科医の意見書について、検察側は前回不同意にした部分の証拠採用に同意したうえで信用性を争う方針を示した。
 弁護側が読み上げた意見書は、畠山被告について「場当たり的な行動をする傾向が強く、被暗示性と自己顕示性が認められる。(長女の)彩香ちゃん事件は計画性を積み重ねたものではなく、殺意の有無は本人もよくわからなかったのではないか」としている。
 この日、意見書を作成した精神科医に対して東京地裁で非公開で実施した証人尋問の内容も示された。弁護側の質問に対し「(畠山被告は)彩香ちゃんの件は健忘が進み、思い出そうとしても思い出せない状況。無意識な願望が影響しているのではないか」との答えだった。
 畠山被告の健忘について、段階的に進行した▽体や精神を守るための防衛意識が働いた▽本人にとってプラスになるならば思い出せるのでは——などとしている。
 次回公判は30日に開かれ、検察側の論告求刑と弁護側の最終弁論後に結審する見通し。【野原寛史】

1月20日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090120-00000066-mailo-l05