2009年01月20日(火) 13時21分
【神隠し公判4日目(7)】形見は黒髪1本…元カレの堪えきれない思い「死刑、自殺でも許さない」(産経新聞)
《東城瑠理香さんと5年後の再会を果たせなかった元恋人の男性が、事件へのやりきれない思いを切々と語る。法廷の大型モニターには、実家で東城さんの誕生日を祝っている家族の写真が映し出される。3姉妹と母親が笑顔を振りまいている》
検察官「写真を見てどう思いますか」
元恋人「瑠理香がいるんじゃないかという思いが強いです。『瑠理香が帰ってくるのでは』と思います」
検察官「今も姉とは会っていますか」
元恋人「はい。(自身と姉と妹の)3人でいるのは考えられなかったですが、姉と妹といるときに、瑠理香もいる気がします」
検察官「東城さんは、どんな人でしたか」
元恋人「強い人で、弱いところを見せない人だけど、寂しがり屋の一面もあって、生きることをトコトン頑張れる人でした。(それは)英語だったり…。付き合っているときも、大学に留学して花開いてうれしかった」
検察官「どこが好きでしたか」
元恋人「強いけれども、たまにみせる弱さです」
検察官「今、後悔はしていますか」
元恋人「自分は3年間、瑠理香と一緒にいましたが、もし事件に巻き込まれる運命が決まっていたら、大学1年の冬のときに別れず、自分から連絡を取ったり、留学から帰ってきたときに連絡を取り、彼氏でなくても側にいて、瑠理香を守れたとの思いがあり、守れたかもしれないものを守れなかったことを後悔しています」
検察官「形見に持っているものはありますか」
元恋人「瑠理香は昔から長い黒髪を大事にしてました。お守りに髪の毛を1本持っていて、今でも大事に持っています」
《大型モニターに映し出された瑠理香さんの在りし日の写真は、長い黒髪の姿ばかりだった》
検察官「『明日が見えない』という歌がありますね」
元恋人「好きな歌で、(東城さんが)練習して弾いていました」
《東城さんはピアノも習っていたという》
検察官「この歌詞の冒頭には『すべてを失って、明日が見えなくて』とありますが」
元恋人「こんな悲しい歌なんて思っていませんでしたが、この時点で聞くとすごく悲しいです」
検察官「今のあなたは、『明日が見えない』状態ですか」
元恋人「はい。瑠理香は、いつもどんな辛いことがあっても、よく生きていく人なので、『自分も強く生きていこう』と(思った)」
検察官「今、東城さんが生きていたら?」
元恋人「ただ、『会いたい』と言いたいです。抱きしめて確かめたいです」
検察官「法廷をすべて傍聴していますね」
元恋人「本当にこの犯人だけは絶対に許さないし、死刑になっても、自殺したとしても、こいつのことは絶対に許さないし、本当に憎いです」
《「死刑でも自殺でも許さない」…。怒りは傍目からは想像ができないほど強い》
検察官「最後に言いたいことはありますか」
元恋人「瑠理香を殺したことで、憎いのですけど、瑠理香のお母さんとか姉ちゃんとか、妹は自分の母さん、姉ちゃん、妹のように思えて、そんな人がこんなに悲しんでいるのも辛いし、情けないと思いますし、一番瑠理香かがこんな奴に殴られて襲われて、殺されてしまったところを。そこにいる瑠理香のことを考えると、すごくかわいそうで、仕方ありません。以上です」
裁判官「お疲れさまでした」
《元恋人は涙声で、東城さんへのあふれる思いを打ち明け、傍聴人からも、すすり泣きが絶えなかった。終始、うつむいて聞いていた星島貴徳被告は、どう感じただろうか。法廷は午後1時半までの休憩に入った》
=(8)に続く
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