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2009年01月20日(火) 19時14分

<イタイイタイ病>剖検根拠に不認定処分覆す 環境省審査会毎日新聞

 環境省の公害健康被害補償不服審査会は20日、イタイイタイ病認定に関する富山県内の女性(04年2月に90歳で死亡)の遺族の不服審査請求に対し、同県知事が「認定しない」とした処分を取り消す裁決をしたと発表した。死後の病理解剖でイタイイタイ病と確認できたためで、病理解剖を根拠に不認定処分が覆るのは初めて。

 女性は01年から寝たきりになり、03年4月、県にイタイイタイ病の認定を申請したが、認定条件の一つである骨軟化症が認められないとして認定されなかった。だが、処分の4カ月後に女性が死亡し、病理解剖した結果、骨軟化症を発症していたのが分かった。

 不服審査会は、不認定処分を決めた時点で女性が骨軟化症だったかどうかは分からないため「処分が必ずしも誤りということではない」としながらも「解剖の結果も踏まえ再度精査する必要がある」として、同県の認定審査会に再審査するよう求めた。

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