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2009年01月19日(月) 17時45分

【神隠し公判3日目(13)】目指したのは「私のことだけを好きになる人格の“上書き”」(15:40〜15:55)産経新聞

 《検察官による供述調書の読み上げが続く。被告人席に座った星島貴徳被告は、青白い表情でうつむいた姿勢のままだ》

 《星島被告は法廷で、『(事件から10日後の平成20年)4月28日の朝に東城瑠理香さんの骨を自宅から持ち出そうと考え、あきらめた』と述べていた。これについて、検察官が星島被告の詳しい供述を朗読する》

 検察官「骨を緑色の手提げカバンに入れようと考えましたが、カバンでは出せる量が限られると思いました。骨をさらに細かくするのもとても大変だと思いました。そのころ、『犯行はマンションの外部のものか』という報道があったので、『まだ大丈夫だ』と思って28日は持ち出すのをやめました。しかし、手ぶらではマンションの下にいる警察に怪しまれると思い、空のカバンを持って出ました」

 《そして翌29日、星島被告は骨の一部を持ち出して駅のコンビニのごみ箱に捨てたとされる。この時の心境を、星島被告は取り調べで詳細に述べていた》

 検察官「29日は、近くのコンビニのごみ箱に、東城さんの鎖骨2本を捨てました。しかし、コンビニの店員が見つけるのではないかと、捨てた後もとても心配でした。(1回に)わずかな骨しか捨てられないのに、これでは割に合わないと思い、コンビニに捨てるのはそれでやめました」

 《凶器や東城さんを寝かせていたエアマットを捨てなかった理由、当初否認した心境についても、詳細な供述内容が読み上げられていく》

 検察官「4月19日、20日ごろ、マンションの部屋に調べに来た警察官に見られていると考えたので、ばれると思って捨てられませんでした。その後逮捕され、証拠を突きつけられたときも、『裁判にかけられて有罪になるだろう』と思いました。しかし、『やっていない、冤罪(えんざい)だ』と一生言い続ければ、体面を保てると思っていました」

 《検察官は『星島被告が“性奴隷”の意味と、東城さんを拉致した理由について述べているので、読み上げます』と説明し、一気に長い供述調書の読み上げに移った。星島被告の自分勝手な考えが、検察官の口から法廷内に響く》

 検察官「私は、女性と付き合ったこともなかったし、映画を見に行ったり買い物に行ったりしたこともありませんでした。いわゆる彼女がいたことはありませんし、女友達もいませんでした。私は、買い物に行ったり遊園地に行ったりして、帰りにはホテルに寄ってセックスができるような女性がほしくてたまりませんでした。しかし、私はずっと自分を好きでい続けて、ずっと自分に尽くすことだけを考える女性でないといやでした。そんな理想的な女性は、アニメやマンガにしか登場しないかもしれないと気付いていましたが、そういう女性でないといやだったのです」

 《星島被告が、身勝手な自分の考えを説明した供述調書の朗読は続く。法廷内は静まりかえっている》

 検察官「みんなは、女性と付き合うために英会話教室に通ったり、職場の女性に声をかけたりと、いろいろな努力をしていると思います。でも、私は声をかけた女性に、例えば彼氏がいたり私の好みじゃなかったりなど、思い通りでないといやだったので、声をかけることはあきらめていました。歩いていて、すれ違ったら突然告白してくれるようなことを待っていたのです」

 《そして、東城さんの拉致に至った星島被告の異常な考えが明らかになる》

 星島被告「私は、私の考えを100%聞いてくれるような女性がいないことも分かっていました。なので、女性を拉致してセックス中毒にしてしまえば、私の言いなりになるような女性になると思ったのです。いつ私がキスをしてもいいように常に歯を磨き、髪形や洋服は私の好みに合わせる女性です。そのためには、元の女性の人格は邪魔でした。なので、拉致した女性をセックス中毒にして私の命令を聞くようにし、私だけが好きで私のことだけを考える人格に上書きをしてしまおうと思ったのです」

 検察官「私は、そういう女性にすることができると思っていました。アニメやアダルトビデオには、男性とセックスをしているうちに言いなりになってしまう女性がいるからです。また、私は10〜20人の売春婦を買いましたが、みんな『セックスが上手だ』などと言うので、私なら拉致した女性をセックス中毒にし、性奴隷にさせられると思ったのです。いい気になっていたかもしれませんが」

 検察官「相手は、若い女性だったら誰でも良かったのです。元々の人格は、消してしまえばいいと思ったからです。もし、東城さんを拉致した後にあのような騒ぎにならなければ、私は東城さんをレイプしていたと思います。そして、レイプしても思い通りにならないことに途中で気付いていたと思います。その時点で、『この女は邪魔だ』と思い、やはり東城さんを殺してしまっていたと思います」

 《星島被告の衝撃的な供述調書が読み上げられ、法廷内は異様な雰囲気に包まれた。供述調書の読み上げはここで終了した》

 =(14)に続く

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