2009年01月19日(月) 08時01分
脱税手助け 不動産業者5人 所得隠し1億7000万円 タクシー会社から報酬(産経新聞)
所有する不動産の売却益を隠して法人税約2億円を脱税したとして、法人税法違反罪に問われ、東京地裁で罰金刑が確定した「外苑タクシー」=東京都渋谷区千駄ケ谷=の土地取引に関し、5人の不動産業者が脱税を手助けした報酬を申告していなかったとして、東京国税局が約1億7000万円の所得隠しを指摘していたことが18日、分かった。追徴税額は重加算税など約6000万円にのぼるとみられる。
5人のうち3人は「外苑タクシー」側の脱税を助けた見返りに高額な報酬を得ていたとして、脱税の罪で起訴され、1審東京地裁で有罪判決を受けている。東京国税局はこのほかに2人の関係者が報酬を申告していなかったとして、追徴課税したもようだ。
関係者によると、外苑タクシーは平成18年3月期までの3年間で、中野区のゴルフ練習場「西新宿ゴルフセンター」、品川区や港区の不動産計3カ所を売却したが、その際、不動産業者と架空の売買契約を結び、土地の売却益を圧縮。約6億8000万円の所得を隠した。
この脱税事件では、赤字がかさんで休眠状態となった会社の代表取締役である不動産業者が、こうした会社を外苑タクシーの実質経営者に脱税に利用させていた。1審で有罪判決を受けた3人はいずれも利用された休眠会社の社長。3人には約1億3000万円の所得隠しが指摘された。現在、2人が控訴し、東京高裁で公判中。1人は執行猶予付きの有罪判決が確定した。
また休眠会社の代表取締役と外苑タクシーの実質経営者を会わせ、脱税の方法を考えた関係者らにも報酬が支払われ、2人が約4000万円を申告していなかった。
追徴課税を受けた不動産業者の1人は、産経新聞の取材に「国税、検察の処分に不満はあるが、過ぎた話だ」としている。
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