2009年01月19日(月) 02時54分
ネットバンク、利便と安全「板挟み」(産経新聞)
ネットにつなぎさえすれば、24時間いつでも利用できる手軽さから、多くの銀行が導入しているネットバンクサービス。近年、不正アクセスによる被害が急増しているが、銀行側は利便性とセキュリティー強化のはざまでジレンマを抱えているようだ。
金融庁によると、顧客のパスワードを勝手に使ってネットバンクに接続し、預金を下ろすなどの被害は平成19年度に232件に上り、前年度の101件から倍増した。警視庁は「ネットバンクへの不正アクセスは今後も増えるだろう。セキュリティー強化など銀行側の対策が急がれる」と警鐘を鳴らす。
これに対し、「セキュリティー強化は顧客の利便性低下につながる」と話すのは都銀のシステム担当者。「気軽に使えるのがネットバンクの利点。利便性を考えると、セキュリティー強化より、1回の振込限度額を下げて被害を最小限に食い止めることを考えざるを得ない」という。
ただ、手をこまねいているわけではない。1度しか使えない「ワンタイムパスワード」など新たなセキュリティーシステムの導入を検討している銀行もある。
一方、ネットバンクでの取引で必要な乱数表が記載されたカードに対し、利用者の危機意識も求められる。「不正アクセスを防止するため、乱数表カードについてもATMで現金を下ろすのに必要なキャッシュカードと同様、紛失時に迅速に対応すべきだ」。警視庁関係者はこう指摘する。
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