自民、民主両党は十八日、それぞれ都内で定期党大会を開いた。麻生太郎首相(自民党総裁)は経済危機に関し「対応策を示せるのは自民党しかあり得ない」と述べ、景気回復と政権維持への決意を表明。民主党の小沢一郎代表は「国の仕組みを根本的に変え、新しい日本をつくる以外に国民生活を救う方法はない」と政権交代実現を宣言し、次期衆院選での政治決戦に向け双方が対決姿勢を鮮明にした。
麻生首相は二〇〇八年度第一次、第二次補正予算と〇九年度予算を合わせた経済対策が七十五兆円に上ると説明。「最初に世界同時不況から脱出するのが日本の役割だ。先頭に立って景気対策に全力を挙げる。全治三年と言わず、早ければ早いほどいい」と述べた。
同時に首相は、社会保障制度を持続させるため「給付に見合った負担が必要」と指摘。経済状況の好転を条件に、一一年度から消費税を含む税制の抜本改革を実施する考えを重ねて示した。
一方、小沢氏は麻生内閣について「責任と使命を忘れた政権は、一刻も早く消え去るのみだ」と批判。税金の無駄遣い根絶で確保した財源を雇用や社会保障などに充てると主張し「国民の命と暮らしを守る新政権の樹立を国民に約束する。主権者として最終判断を下すようお願いする」と支持を訴えた。
小沢氏は大会後の記者会見で、消費増税に重ねて慎重姿勢を示した。政権構想や政権移行スケジュールについては、次期衆院選の日程が固まった段階で発表する考えを明らかにした。
自民党の細田博之幹事長は〇九年の運動方針を大会で報告し「民主党が振りまく『政権交代』が幻想にすぎないことを国民に訴えかける」と強調。民主党の鳩山由紀夫幹事長は次期衆院選について「最低でも小選挙区で百五十の勝利をつかみ取りたい」と述べ、単独過半数を目指す方針を示した。