【エルサレム18日共同=長谷川健司】イスラエルは十八日午前二時(日本時間同午前九時)から、イスラム原理主義組織ハマスが支配するパレスチナ自治区ガザに対する大規模攻撃を一方的に停止した。ハマスも同日午後、即時停戦を発表し、先月二十七日の空爆で始まったガザの武力紛争は二十二日ぶりに停戦を迎えた。
ただ、ハマスがイスラエルに一週間以内の軍撤退を要求したのに対し、イスラエルは期限を示さずにガザに当面駐留を継続するとしており、戦闘停止が持続するかは予断を許さない状況だ。
ロイター通信によると、ガザ各地で十八日、イスラエル軍の攻撃で死亡した九十五人の遺体が新たに見つかり、パレスチナ人死者は計千三百人を超えた。
ハマスは十八日、即時停戦の発表前にイスラエルをロケット弾などで攻撃、イスラエルの反撃でパレスチナ人一人が死亡した。
ハマスは十八日、ガザで「武装闘争が敵を一方的攻撃停止に追い込んだ。輝かしい勝利だ」との声明を発表。ロイターによると、即時停戦はハマスと他の武装勢力の合同の決定で、ハマス幹部は「(イスラエル軍の)撤退に一週間を与える」と述べ、境界封鎖の解除も求めた。
イスラエルは十七日夜に開いた治安閣議で攻撃停止を決定。閣議後にオルメルト首相が演説し、大規模攻撃でハマスのメンバー多数を殺害し密輸ルートを破壊するなどして、深刻な打撃を与えたとの認識を示し、ハマスの再武装を阻止するための武器密輸防止の態勢づくりで米国などと合意したことにも言及。軍事作戦の目標が十分達成されたと述べた。
ロイターによると、パレスチナ人死者には子ども四百十人が含まれ、負傷者は約五千三百人。イスラエル人死者は十三人。