静岡市北西部の葵区清沢地区の住民らが、同地区で捕獲したイノシシの肉を使った「清沢猪肉(ししにく)おでん」を開発した。
2月1日に同区東深草町の静岡農政事務所で開かれる「静岡食文化祭」でお披露目する。住民らは「『静岡おでん』の新しい具材として定着すれば」と期待している。
開発したのは清沢地区の活性化を目指す「NPO法人フロンティア清沢」。同法人や協力した「静岡市葵生涯学習センター」によると、清沢地区では以前からイノシシに農作物を食い荒らされる被害に悩まされており、捕獲したイノシシの処分にも困っていたという。
同法人では、これまでにもイノシシの肉を使った「猪焼肉定食」を地区の農作物直売所「きよさわ里の駅」で販売するなどしていたが、他の利用法はないか模索していた。そんな中、「静岡おでん」の普及を目指す「静岡おでんの会」や、同センターから「イノシシの肉をおでんの新しい具材にしないか」と誘いがあり、昨年2月から共同で「猪肉おでん」の開発を始めた。
開発に当たっては、栄養士と相談しながら試作を繰り返した。「固い」「臭い」というイノシシ肉独特の風味の課題を克服するため、下味に清沢地区で生産したみそを使用。イノシシ肉をさっとゆで、みそを入れたつゆでしっかり煮込んだ。
イノシシ肉のほか、ゴボウやこんにゃくなども清沢で生産したものをなるべく使用し、地産地消のおでんを目指した。柔らかくなったイノシシ肉をゴボウ、こんにゃくとともに串に刺し、みそだれをかけて完成。上品ながら、どこか野性味のある味に仕上がった。
同法人事務局長の青島富雄さん(57)は「好評であれば、今後、本格的に売り出すことも検討したい。これで地区を盛り上げることができれば」と話している。
静岡食文化祭は午前10時〜午後1時30分。雨天決行。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20090116-754442/news/20090119-OYT1T00030.htm