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2009年01月19日(月) 20時00分

<オバマ次期大統領>「ネット時代」象徴、開かれた就任式に毎日新聞

 【ワシントン及川正也】20日(日本時間21日)に行われるオバマ次期米大統領の就任式は、インターネット中継により「開かれた」式典となりそうだ。就任演説は対テロ戦争や経済危機を背景に団結を求める内容が予想され、「長くても15〜20分」(米紙)と簡潔で力強いものになるとみられる。

 オバマ氏が18日にリンカーン記念堂で開いた無料コンサートは、ケーブルテレビHBOがインターネットで生中継した。オバマ氏側は就任式を「インターネットを通じて全米どこででも共有できるようにする」といい、「ネット時代」を象徴する式典になりそうだ。

 就任式は初代ワシントン大統領時から宣誓、演説、パレードが骨格で、舞踏会は1809年のマディソン大統領から。就任式の日程は1937年のフランクリン・ルーズベルト大統領から修正憲法の規定でそれまでの3月4日から1月20日に変更された。

 現職の死去・辞任に伴い副大統領が昇格した例は9回。就任式場は通常、連邦議事堂だが63年のケネディ大統領暗殺を受けてジョンソン大統領が宣誓したのは大統領専用機中。74年に辞任したニクソン大統領の後任のフォード大統領はホワイトハウスだった。

 パレードは議事堂からホワイトハウスまでの2.7キロが現在のルート。奴隷解放に努めたリンカーン大統領の1865年のパレードには初めて黒人が参加。05年のブッシュ大統領時はイラク反戦派が抗議活動をした。

 就任演説で歴代大統領は大統領選などで分断された国民の結束を促し、国難下では国民を激励してきた。

 南北戦争終結直前の1865年、リンカーン大統領は「恨みを捨て、国家の傷を癒やそう」と国民和解を促した。大恐慌下で就任したフランクリン・ルーズベルト大統領は「恐れなければならないのは恐怖そのものだ」(1933年)と不安払しょくに努めた。

 最も短い演説は1793年のワシントン大統領の135語。最長は1841年のハリソン大統領の8445語で1時間40分かかった。

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