2009年01月19日(月) 21時47分
いじめ多い「プロフ」 対策は… さいたま中3自殺(産経新聞)
さいたま市立中学3年の女子生徒=当時(14)=が「ネットいじめ」に関する遺書を残して自殺した事件は、埼玉県教育委員会に衝撃を与えた。県教委は1月上旬から、ネットいじめに関するマニュアルを各校へ配布する準備を進めていた矢先の出来事だった。ネットいじめの悪質性が分かっていただけに、マニュアル製作にかかわった県職員は「残念」と、沈痛な表情を浮かべた。
自殺した女子生徒は平成20年7月、「プロフ」と呼ばれる携帯電話のサイトに「キモイ」「不登校になるかもね」などと書かれたことを両親に訴え、遺書には「プロフにあんなことを書いた○○たち、復讐(ふくしゆう)はきっちりしますからね」と実名を挙げて書いていた。
女子生徒が自殺したのはその年の10月だった。しかし、さいたま市教委から県教委への連絡はなかったという。
プロフは中高生に人気のサイトで、自己紹介や日記、写真などを簡単に作成できる。閲覧者が書き込むこともでき、実名や通う学校名を書いたものも多い。
県教委がマニュアルを作るに当たり、20年7月に県内公立中高生計1万9329人に実施したアンケートでは、ネットいじめに使われる道具はプロフが1位で、全体の58・6%を占めた。2位のブログ(19・9%)、3位のeメール(15・3%)を大きく引き離している。
プロフでのいじめの特徴を県教委は2点指摘する。一つはアクセス数を増やすため書き込みが過激になること、もう一つはいじめ対象者へのダメージの大きさだ。
プロフ利用者の間では、「プロフの閲覧回数が多いほど人気者で、皆から認められているということになる」(県教委)といい、具体的で過激な悪口を書いて閲覧回数を増やそうとする傾向があるという。
また、学校では普通に接していながらプロフでは匿名で中傷する例も多く、県教委は「正体が分かったとき、『親友と思っていたのになぜ』と人間不信になる。暴力とは違う大きなダメージを与える」としている。
表面上見えにくいため、対応も難しい。県内の公立中の95・8%が携帯電話の学校内での所持も使用も認めていないが、アンケートでは、ネットいじめを受けた生徒は8人に1人にのぼっている。
県教委は、「携帯電話を禁止すればプロフでのいじめがなくなるわけではない」と頭を抱える。
その上で、「大人全体で取り組まないと防げない」として、“3カ条”を挙げる。
「教員は生徒をよく見て、SOSのサインを見逃さない。保護者も、子供がいじめの被害者になっていないかだけではなく、加害者になっていないかという視点でも子供を見てほしい。そして、一般の人は、ネット上でのいじめを見たら、学校に通報してほしい」としている。
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