【北京17日共同=磐村和哉】北朝鮮を訪れた米シンクタンク、国際政策センターのセリグ・ハリソン・アジア研究部長は十七日、六カ国協議の合意に基づき北朝鮮が昨年申告したプルトニウム総量約三八・五キロのうち、処理可能な三〇・八キロは「すべて武器化され、検証できない」と同国高官が述べたと明らかにした。経由地の北京で記者団に語った。申告したプルトニウムの用途や状態を北朝鮮が対外的に明らかにしたのは初めて。
核兵器は検証不可能と主張することで、オバマ次期米政権に対しても、難航している核検証問題で有利な立場を固めようとの思惑もあるとみられる。
ハリソン氏は「説明通りなら、北朝鮮は四、五個の核兵器を保有しているだろう」と話した。
同氏によると北朝鮮側はまた、核放棄段階では軽水炉二基の建設が必要との主張をあらためて表明、サンプル(試料)採取を含む検証や査察は核放棄後に開始し、在韓米軍や韓国軍の基地も同時に行うよう米国などに要求する立場を示した。
さらに北朝鮮側は、日本が拉致問題を理由に経済・エネルギー支援を留保していることに絡み、オバマ次期政権が重油二十万トン相当の日本負担分の手当てを早期に講じなければ「無能力化作業を中断する」と警告。一日十五本ペースで行われている寧辺での核燃料棒抜き取り作業を、「一日一本にペースダウンすることもあり得る」と指摘した。現在、約二千二百本の核燃料棒が実験用黒鉛減速炉に残っているという。
ハリソン氏は十三日に平壌入りし、