2009年01月18日(日) 03時28分
2011年の消費税上げ強調、小泉路線に決別…施政方針原案(読売新聞)
麻生首相が今国会で行う施政方針演説の原案全文が17日、明らかになった。
消費税率引き上げについて、経済状況の好転を前提に2011年度からの実施を改めて強調しているほか、雇用情勢の急激な悪化を受け3年間で160万人の雇用対策を実施するとしている。市場万能主義を批判し、小泉元首相が進めた構造改革路線からの決別を鮮明にしているのも特徴だ。
政府・与党は、首相の施政方針演説について、26日の実施を目指している。
演説は、首相の「哲学」と「実行方針」を国民に訴えることに力点を置いた。冒頭で「目指すべき社会」を述べた後、政策の柱立ては各省施策の羅列を極力排し、主要課題に絞り込んだ。その結果、原稿の分量も約8300字と、2006年の小泉首相(当時)以降では最少になっている。
原案では、景気対策を急ぎ、世界同時不況から早期に脱出する考えを強調。同時に「大胆な財政出動を行うからには、財政に対する責任を明確にしないといけない」として、持続可能な社会保障制度実現のため「経済状況を好転させることを前提に、消費税を含む税制抜本改革を11年度より実施できるよう、必要な法制上の措置をあらかじめ講じ、10年代半ばまでに段階的に行う」とし、11年度からの消費税率引き上げに重ねて意欲を見せた。
深刻化する雇用情勢に対応するため、昨年12月に決定した追加雇用対策で「3年間で140万人の雇用」としていたのを、3年間で160万人の雇用を目指す方針を掲げた。政府が近くまとめる「雇用ニューディール(新規まき直し)計画」(仮称)による雇用対策などを反映させ、目標を上方修正したものだ。
政府の役割については、「『官から民へ』『大きな政府か小さな政府か』といった発想だけでは、あるべき姿は見えない。市場にゆだねればすべてが良くなるものではない」と指摘し、構造改革路線から決別する姿勢を示している。
ソマリア沖の海賊対策では、「実行可能な対策を早急に講じ、新たな法制の整備を検討する」と述べ、現行法に基づく海上警備行動発令による海上自衛隊派遣と「海賊処罰取締法」(仮称)制定への決意を示す考えだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090118-00000006-yom-pol